「いつか慣れてくれたら…」と猫に寄り添った見守りをした
そのサイトでは譲渡時、サポート提携病院で獣医師が健康診断をし、正確な説明を聞いてから引き渡すシステムであったため、飼い主さんは後日、サポート提携病院へ。くっこちゃんは目やにが見られましたが、幸い、血液検査などでも異常は見られませんでした。
自宅では、くっこちゃんが少しでもくつろげるように段ボールやマット、クッションを用意。サポート提携病院ではマイクロチップの埋め込みや避妊手術も行ったため、抗生物質を飲ませようとしましたが、抱っこしようとすると、くっこちゃんは手をガブッと噛み、逃走。
慣れるまでに時間がかかる。そう感じた飼い主さんは必要以上に構わず、自由にさせてあげようと思ったそう。あえてケージは用意せず、自分たちが恐怖の対象にならないよう、静かに様子を見守り続けました。
くっこさんは新しい環境になかなか慣れることができず、やがて粗相をするように。そこで、飼い主さんは猫がどんな時にどういった理由から粗相(スプレー行為)をするのかを調べ、対策を練りました。
「ネットには急激な環境変化や不安を感じる時に気持ちを落ち着かせるために行うと書かれていたので、スプレーをかけていた台所の引き出しに段ボールとペットシートを隙間なく張り、床にもシートを敷き詰めました」
その場所には新しいトイレも設置。いつか、このトイレで用を足してくれるはずと考え、気長に待ちました。
すると、1カ月後、くっこさんはトイレで用を足してくれるように。飼い主さんは嬉しさを噛みしめ、「お利口さんだね」とくっこさんを褒めました。
「粗相をするのは悪いことではありません。くっこさんは新しい環境に慣れるのに戸惑い、一所懸命だったはずですから」