抱っこしながらの爪切りができないため、飼い主さんは2カ月に1度、動物病院で爪切りをしてもらっていますが、病院で捕まえられると失禁や便失禁。
また、大きな声や動作の人を警戒。お迎え当初は旦那さんとの距離も、なかなか縮まりませんでした。
「あくまでも憶測ですが、繁殖させようとした人物が男性だったのかなと感じます。来客時も一目散に逃げます。心の傷だらけです」
高いところへのジャンプも苦手で、ダンボールや紙袋にも入らず、ブラッシング時以外はへそ天もしない。好きなお刺身も隅に持って行き、隠れて食べる。そんな姿を間近で見ているからこそ、飼い主さんは劣悪な環境での繁殖を動物に強いている悪徳繁殖業者に強い怒りを感じています。
実は、くっこさんを引き取る時、繁殖用猫について調べ、辿り着いたのが当媒体に掲載されていた、ある猫ちゃんの生い立ちでした。
「その子ほど、くっこさんは劣悪な環境ではなかったと思われますが、ケージ生活を強いられ、1匹でいるのが好きなところは同じです。性格もあると思いますが、雄猫も人間も嫌いだから、その子もくっこさんも1匹でいたのではないかと思ったんです」
負担を考えず、命をモノとして扱う悪徳ブリーダーや繁殖屋によって年に数回も出産させられ、ボロボロになる子が近い未来、どうかいなくなってほしい。飼い主さんは、そう願わずにはいられません。
頑張ってきた分、これからのニャン生が満ち足りたものでありますように。くっこちゃんのニャン生に触れると、そう願いたくなると同時に、自分にできる動物の守り方も考えたくなります。