トイレの隙間から千円札を差し出され…コンビニで驚いた仕事 数々のバイト経験で「この世にはいろんな人がいるな」

金井 かおる 金井 かおる

 カフェ、コールセンター、食品工場ーー世の中にはさまざまなアルバイトがありますが、社会人5年目の「ほうじ茶」さん(@tomizawa1217)が振り返ったバイトの思い出が、SNS上で1.7万を超えるいいねを集めています。

 「お金が無かったので、高1から色々なバイトをして、大学の頃は3つ掛け持ちしてたけど、1番休憩時間が楽しみだったのが市の図書館で、1番この世にはいろんな人がいるなと勉強になったのがコンビニで、1番寒かったのが冬のビラ配りで、1番友達できたのが飲食店だった。してみたかったのはスタバ」(ほうじ茶さんのXから引用)

なぜ?トイレの隙間から千円札を差し出され…

 投稿したほうじ茶さんに話を聞きました。

──コンビニバイトで人間観察を。

 「さまざまな人がいました。誰かと電話しながら小銭を投げつけるサラリーマン、700円くじの中身を出して注意すると暴れるおじさん、差し入れをくれるお姉さんやお兄さん、毎日500円玉を握りしめて菓子パンを買いに来る男の子、『かわいいわねえ』『孫みたい』といつもほめてくれるおばあちゃん、一見恐そうだけれどタバコの銘柄を分かりやすく教えてくれる工事現場の方たち、アイスを2つ買いにくる幸せそうなカップル。この世には本当にいろんな人がいて、いろんな人が生活をしているのだと思いました」

──忘れられない出来事は。

  「1つあります。他のお客さんから『誰かがトイレをずっと占領している』という苦情が入り、見に行き『お客様、大丈夫でしょうか』と声をかけると、ドアが10センチほど開いてスッと千円札が出てきました。中からおじさんが苦しい声で『大きい方を漏らしてしまった…お願いだ、パンツを、パンツを買ってきてくれ、あとウェットティッシュも』と。商品を見つくろって、ドアの隙間から差し入れると、おじさんは心の底から申し訳なさそうに『すまん…助かった…』と。なぜか切ない気持ちになりました」

──ビラ配りも。

 「ヨガスタジオのビラ配りをした時は、何枚もヒートテックを重ね着し、ホッカイロを体中に貼っていましたが、寒くて寒くて仕方ありませんでした。楽しそうに手をつなぐカップルや、ケンタッキーの袋を持っている家族連れがうらやましくて、(自分のことを)『マッチ売りの少女みたいだ…』なんて思ったり。このバイトを経験してからは街で必ずチラシを受け取るようになりました」

──図書館の休憩が楽しかった理由は。

 「私が一番若く、周囲は自分の祖母や祖父くらいの年齢でした。ようかんの栗のところを私にくれたり、アルフォートを多めにくれたり。時給720円でしたが、温かいお茶とお菓子をみんなで食べる時間が好きでした」

──飲食店では人脈が広がったと。

 「オープニングスタッフだったこともあり、みんな同世代で、働いている感がないくらいに楽しかったです。泥酔客の対応は大変でしたが、バイト仲間となら全てが楽しく思えました。バイト終わりにカラオケに行ったり、土手で花火をしたり。飲食店のバイトを通して、自分の居場所ができたと思えました。社会人になってもバーベキューや忘年会などで定期的に集まっています」

──初めてのバイトをする若者に向け、アドバイスを。

 「働いていたら理不尽なことや嫌なこともたくさんあると思います。私はそういう人に出くわしたら心の中で、『足の親指が巻き爪になれ~』『信号全部赤になれ~』『牛乳パック開ける時、毎回ミスれ~』など、小さな呪いをかけていました。そうするとほんの少しだけですが、気持ちが落ち着くかもしれないです。自分に合わないバイトを無理して続けるのではなく、働いていて楽しいと思えるバイト先に出合えたら、きっとかけがえのない友達や経験ができると思います」

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース