高校生が3Dプリンターで「デジタル日時計」を出力→おもしろい仕組みに反響 「むちゃくちゃ欲しい」

太田 浩子 太田 浩子

 ネット上に公開されている「デジタル日時計」のデータを、電子工作が好きな高校1年生が出力してXに投稿したところ、大きな反響がありました。

「3Dプリンターで太陽の光を使って時間を表示する日時計を印刷してみました。回路や電池も必要なく太陽さえあれば20分刻みで時間を表示してくれます。」

 このようなコメントともに、紙の上に「15:40」と照射された日時計の写真と元データのリンク先をポストしたのは、「高校生の電子工作日記(@hdiv6xeWxcLUS51)」さんです。

 この「デジタル日時計(Digital Sundial)」は、mojoptixさんが公開しているもので、10時から16時までの時間を20分ごとに太陽光があれば表示できます。太陽の角度から計算された無数の穴から、時間が表示される仕組みですが理解するのは難しい…。

出力したデジタル日時計の3Dモデリングデータを公開しているMojoptixさんは、挟んで厚みが測れるスケール(ノギス)などのデータも、3Dプリントのオープンプラットフォーム「Thingiverse」に公開しています。

「仕組み全く分からんけどすっっっご」
「凄く面白いですね✨ アナログ?なのにデジタルな感じがオシャレ🥲🥲🥲」
「まるでアートですね。オシャレな日時計🕰️」
「むちゃくちゃ欲しい」
「へぇ~これは凄い❗ 面白いね」
「設計者は天才ですね」
「いつか印刷してみたい。」

投稿にはたくさんのリプライが寄せられています。ポストした高校生に、詳しいお話を聞きました。

──この日時計はどのような原理なのでしょうか。

 この日時計は、光が入る角度によって光が遮蔽物(細い線のようなもの)にあたるものと、何も当たらず直進し表示されるものに物理的に分けることによって時刻を表示しています。この機構をそれぞれの時間の桁に1つずつ配置しているので4個の機構があります。

──設置する場所で角度などを変えるのですか?

 南半球と北半球では別のものを印刷しないと正しく機能しません。また、季節によって角度が変わります。春と夏の場合は緯度―10度、秋と冬は緯度+10度になります。

──デジタル日時計のデータを見たときはどんなご感想を?

 太陽の光だけで動くなんてすごいと思い、どのようにして機能しているかが気になりました。

──実際に印刷して確認したくなったのですね。

 印刷した後は、本当にこれで時間が表示されるのか少し不安でしたが、実際に試してみると正しい時刻が表示されたのでとても嬉しかったです。

──ちなみに、データがあれば簡単に印刷できるものなのですか?

 ender3という3Dプリンターを使っていますが、印刷時間は17時間ほどかかって、組み立ては30分ぐらいかかりました。この日時計はかなり大きく精密にできており、専用のソフトを使って、印刷速度や印刷密度、精密さなどを、自分の3Dプリンターにあうものに設定しないといけないので、簡単ではないと思います。他の小さいフィギュアや玩具のデータは比較的簡単に印刷できると思います。

──なるほど、むずかしそうです…。「全国小中学生プログラミング大会」日本一になったとプロフィールに書かれていました。

 今年の2月に開催されたコンテストでグランプリを受賞させていただきました。

──すごいです!どんな作品を出されたのですか

 このコンテストでは、亀育成サポート機という、スマホさえあれば家で飼っている子亀に餌をあげたり、水替えを自動でしてくれたりなどの亀の育成をサポートする機能をたくさん詰め込んだ作品を作りました。

──YouTubeに紹介動画がありますね。餌をあげるのはもちろん、雨が降ったら自動で水を排出したり蓋が閉まったりといろいろな機能があって驚きました。電子工作に興味を持つようになったきっかけは?

 元々工作が好きで、小さいころからレゴで遊んでいろんなものを作っていました。そんななか、小6の頃に両親からラジコンを作るキットをプレゼントされ、自分で作ったものが実際に動いていることに凄く感動し、もっとたくさんのものを作ってみたいと思い電子工作に興味をもちました。

──電子工作の魅力はどんなところですか

 自分のアイデアを実際に作って形にできることや、作品が完成して思い通りに動作したときに達成感や感動が味わえるところだと思います。

──今はどんなものを作られているのでしょう?

 父とよくキャンプに行くので、その時に使うライターを自分で設計をして作っています。セリアで売られているシンプルな棒型のライターをリメイクし、ごつごつしてかっこいい感じに仕上がりそうです。

──楽しみですね。将来の夢は考えられていますか?

 最先端のものの開発に携わるエンジニアになり、世の中をもっと便利に豊かにすることです。

■mojoptixさんのDigital Sundialデータ https://www.thingiverse.com/thing:1068443

■高校生の電子工作日記(YouTube) https://www.youtube.com/@nanato0818

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