バイオリンなら数百万円も珍しくない!? 「高価な楽器」の盗難・破損のリスクに備える…知っておきたい楽器保険のこと【FPが解説】

FPオフィス「あしたば」 FPオフィス「あしたば」

楽器のトラブルに備えるには

まず、確実に楽器のトラブルに備えることができる方法は、保険に加入しておくことです。年間の保険料はかかりますが、自分では防ぎようのない災害(一部対象外の事例あり)や盗難などの被害に備えることができます。

なお、実は「楽器保険」という特定の保険商品があるというよりは、「動産総合保険」を楽器保険として紹介しているところがほとんどです。

▽動産総合保険としての楽器保険

動産総合保険とは、事業用の什器・備品、機械、器具、商品または個人所有の精密機器、楽器などの動産(不動産以外の財産)を対象とした総合保険です。

店舗や企業などが加入する場合がほとんどですが、高額な所有物については個人で動産総合保険に加入することもできます。

対象となる事故としては「火災」「落雷」「破裂/爆発」「風災/雹災/雪災」「盗難」「煙害/水漏れ」「航空機の墜落」「建物の倒壊」などがあげられます。

この他にも運送中の事故や、不測かつ突発的な事故による破損なども対象になります。

▽家財保険としての楽器保険

動産総合保険以外に、家財保険で楽器の万が一の事態に備えておくという方法もあります。

家財保険とは、火災保険の中の「家財」を対象としたもので、テレビや冷蔵庫といった、家の中にある生活動産を守る保険です。

ただし、30万円を超える貴金属や美術品等は、必ずしも生活に必要ではない「ぜいたく品」として扱われ、事前に個別申告が必要です。

楽器も必ずしも生活に必要ではないという意味では「ぜいたく品」に近い要素もあるのですが、生活内容を豊かにするための道具としての要素が強いことや、音楽を生業としている人もたくさん存在しますので、楽器はあらかじめ補償の対象となる家財に含まれています。

ただし、オールドヴァイオリン(ヴァイオリンの形が確立された1600年代~1800年初頭に製作された楽器)など、「骨董的な価値がついてくる楽器」については値段もかなり高額なものになりますので、特に価値の高い楽器を持っている人は念のため個別に申告しておくことをおすすめします。

家財保険でも火災、落雷、盗難、水漏れといったの事故による損傷をカバーできますが、動産総合保険との大きな違いは、「家財」つまり自宅の中のものに限られるということです。

持ち出し家財の事故について補償する特約が付いている内容のものもありますが、基本的には家の外に持ち出して起こった事故については補償されませんので、注意しましょう。

また、家財保険が家財全般にかけられるのに対し、動産総合保険は特定の所有物ごとに保険をかけるかたちであることも大きな違いのひとつです。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース