株式会社キャリアデザインセンター(東京都港区)が運営する、女性の転職に特化した転職サイト『女の転職type』は、同サイト会員の働く女性661人を対象とした「ブラック企業」に関する調査結果を発表しました。調査によると、約6割の女性が「今の職場はブラックだと思う」と回答しました。また、ブラックだと思った点については「仕事に見合わない低賃金」が最多となりました。
調査は2023年8月にインターネットで実施されました。
はじめに、「今の職場はブラック企業だと思いますか」と聞いたところ、58.1%の人が「ブラックだと思う」(ややブラックだと思う:37.1%・かなりブラックだと思う:21.0%)と回答しました。一方、「ブラックとは思わない」と答えた人は37.7%でした。
さらに、70.0%の人が「ブラック企業で働いたことがある」と回答。これを年代別で見ると、「40代以上」(76.7%)が最も多く、次いで「30代」(71.6%)、「20代」(61.6%)と続き、年代が上がるにつれて増える傾向が見られました。
また、「ブラック企業で働いたことがある」と答えた人に対して、「どのような点がブラックでしたか」と複数回答可で聞いたところ、「仕事に見合わない低賃金」(61.3%)、「ハラスメント、いじめが横行」(53.6%)、「長時間労働を強いる」(51.2%)「休みが取れない」(42.8%)、「休憩時間がない」(35.9%)といった回答が上位に挙げられました。
そこで、「ブラックな状況を誰に相談しましたか」と複数回答可で聞いたところ、「友人・知人」(51.8%)や「家族」(44.7%)など、仕事関係以外の人が多くを占めた一方で、約2割の人が「誰にも相談していない」(21.8%)ことが分かりました。
では、ブラック企業で働いた結果、どのようになったのでしょうか。この質問に対して複数回答で答えてもらったところ、半数以上の人が「退職した」(55.3%)と回答。ほか、「体調を崩した」(35.9%)、「精神を病んだ」(31.1%)など、3割以上の人が心身に影響が出ていることが明らかとなりました。
その一方で、17.1%の人が「我慢してまだ働いている」と回答しており、「転職活動中」(20.7%)と同程度となっていることから、現職にとどまりながら転職活動に取り組んでいる人がいる様子が推察される結果となりました。
最後に、全回答者に対して、「ブラック企業に転職しないためにするべきだと思うこと」を複数回答で教えてもらったところ、「口コミサイトで評判を調べる」(66.1%)、「離職率を確認する」(65.1%)、「残業時間、残業代を確認する」(59.6%)などに回答が集まったほか、「面接時に怪しいと感じることは勇気を持って聞く」「職場見学」「正式入社の前にお試しで働く」といった意見も寄せられたそうです。
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調査を実施した同サイトは、「入社してみて『思っていたのと違った』とならないためには、ネット上の情報だけでなく、面接での確認が重要になってくると思います。転職で自分が叶えたいと思っていることをしっかり伝え、それが叶えられそうか確認しましょう」と述べています。
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【出典】
▽女の転職type/第74回ブラック企業について
https://woman-type.jp/academia/discover-career/data/vol-74/