キャバクラやクラブ、風俗などの夜職は、長く続ければ続けるほどジリ貧になっていきそう…と考える人は多いです。たしかに、若さと勢いだけで突き進めば寿命は短く、この商売以外では働けない“夜職脳”になってしまいます。年齢と共に「若さと勢い」以外の武器を磨かねばあっという間に転落してしまうでしょう。
しかし自分にぴったりの武器を見つけることで、長く夜職を務める事も可能です。若い頃から10年以上ずっと売れ続けるキャストもおり、一握りではありますが、数十年間月収100万円以上をキープするツワモノも歓楽街には存在します。
朝はコーヒーで優雅に!羨ましい売れっ子の生活
ハタチから夜職を続け、今年で業界歴27年になるヤヨイさん(仮名)は、「出勤でも休日でも、朝は6時に起きてコーヒーを豆から挽いて淹れるんです。これがないと1日が始まらないんですよ」と語ります。彼女はソープ店に勤務するベテランキャスト。口調はおっとりで上品な雰囲気、アラフィフには見えない美しさを備えた女性です。
そんなヤヨイさんの月収はなんと約200万前後で、1カ月のほとんどを指名で埋める売れっ子キャスト。かつては月に100名以上の顧客を呼んだ経験を持ち、20代の頃から付き合いを続けているお客様もいるのだとか(以下『』内、ヤヨイさん談)。
『軽く朝食を食べて、出勤の日はお店へ向かいます。休日だとこのままジムへ行きますね。……連休ですか?なるべく長期休暇を取らないようにしていますが、3カ月にいっぺんは3日くらいお休みをいただいて旅行へ行きますよ。最近は草津温泉に行きました』
聞くだけで羨ましいほどの優雅っぷりです。日ごろ筆者が取材をしていると「近頃のナイトワーカーは稼げない」という話を多く聞きますが、ヤヨイさんの話を聞いていると不況などほぼ皆無のように思えてしまいます。そこで気になる貯金額についても聞きました。
『いくら貯金があるかは言えません(笑)でもまぁ……半分以上は残せてますね。家賃も15万くらいですし他に贅沢をしないので。いつも年明けにご褒美としてハイブランドのバッグを買いますけど、それも年イチだからなぁ~。美容メンテナンスとお店のドレス、お客様へのプレゼントを買っても、毎月それなりには残ります』
繁忙期は出勤日数を増やすため、月収250万円程度の時もあるとのこと。この金額を保ち続けるのは、相当な営業努力と高いプロ意識が備わっているからでしょう。
プロのお仕事マインドは、やっぱりスゴかった
ヤヨイさんは20代後半から43歳まで高級店に勤めていました。コロナをきっかけに中級店へ移籍し、現在はのびのびと働いているそうです。
『高級店からの移籍はかなり悩みましたが、コロナで不況もあり、お店自体も静かになっちゃって……。もう少しお客様が来やすいようにハードルを下げたら、大正解でしたね。今まで月イチ来店だった人が“安くなった!”と言って2回来るようになったりとか(笑)ボーナス時期しか来店が難しかった人も来店頻度が上がったので、これで良かったんだと思います。高級じゃなくなったことによって、少し肩の力も抜けましたし』
これほど長くお客様を呼び続けること、そしてメンタルを崩さずに出勤するのは至難の業です。仕事を長く頑張るコツを尋ねると「うーん、やり甲斐を見つけることと、あとは夜職をいついつまでにやめようって考えすぎないことじゃないですか?」と、意外な返答が。
『指名が取れて楽しいと思うことは、働き続ける上で絶対条件ですよね。この業界指名が増えるのと収入アップはイコールなんで、どこかに楽しさとやり甲斐を見出さないと絶対続きません。
あとは“25歳までにやめる!”って鼻息荒く言ってるコほど、ずっとやってる(苦笑)心のどこかで夜職は悪いコトとか、いけないコトとか、働く自分が嫌いとか。ネガティブな考えがあるから仕事も頑張り切れないし、目標金額にも届かず途中離脱して、人生につまづくような気がしてます。
結局のところ、この商売は大変なコトまみれなんで“割り切り”が重要ですよ。私も昔はやめようかな~どうしようかな~ってずっと悩んでいたんですけど、割り切って仕事に打ち込んだら一気に成績が伸びたんです。そこから腹を括って一生専業で生きると決めました。あの時割り切れなかったら今も売れずにダラダラやってるか、とっくにドロップアウトして、お給料が少ないと嘆きながら、納得いかずに昼職を始めていたかもしれません』
売れっ子で居続けるヤヨイさんですが、今でもお客様に対する営業LINEや、ネットの日記更新を怠りません。公式媒体の日記をマメに更新+LINEの連絡先を掲載し、新規客の受付もおこなっているそう。すでに多くの顧客から愛されるにも関わらず、新規開拓にも積極的な姿勢は他の商売でもぜひ見習いたいものです。
そこで「夜のお店に現れる系の太客さんっています?」と聞いてみたところ、ヤヨイさんは快く答えてくれました。
『何名かいらっしゃいますよ。最近来た1人は若い頃からのお付き合いがあり、“出世”を私は見届けてきたんです。今となっては出勤時間を貸切ってくださるので、丸1日お店の外でデートします。先日は某イタリアンのコース料理を食べて、楽しい1日でした。あと年に何度かしかいらっしゃらないけど、旅行に連れて行ってくださる方が1人……』
話を聞いていると、まるで今が令和なのかを疑ってしまうようなゴージャスぶり。これぞ夜職ドリーム、長きにわたって努力されているキャストさんにはそれ相応の結果がついてくるものだと改めて学びました。
こんな一握りの夢に憧れて、業界入りする若者が絶えないのも頷けます。必ずしもヤヨイさんのようになれるとは限りませんが、目指すぶんには自由。彼女が言うところの「腹を括ってやり甲斐を見出す」を完璧に身につければ、誰にでも勝利を掴めるチャンスがあるということです。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。