84歳の名誉領事、ラオスにホテルマン育成の学校を計画 「アジアでNO.1に」将来は日本のホテルでの勤務も想定

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 京都の男性が中心となり、東南アジアのラオスにホテルマン養成の専門学校をつくる取り組みが進んでいる。近年、ラオスを訪れる観光客は増えているが、観光産業を支える人材育成は遅れているという。男性は「アジアでナンバーワンの学校にし、世界中のホテルに人材を輩出したい」と意気込む。

 男性は在京都ラオス名誉領事館の大野嘉宏名誉領事(84)=京都市北区。外務省ホームページによると、ラオスは人口733万人で1人当たりGDPは2595ドルで日本の15分の1程度の後発開発途上国だ。国民の大半が農業に従事しているものの、GDPの最も大きな比率を占めているのは、観光を含むサービス業という。

 ラオスには、近隣の東南アジア諸国から多くの観光客が訪れるが、外国人や高所得層向けのホテルは不足気味で、ホテルマンの育成ができていないという。

 ホテルマンを育てラオスを観光立国にしようと、大野さんは学校設立の準備を進めてきた。東京や大阪などにあるYMCAの専門学校のホテルマン育成課程に基づいて授業を行う。すでにYMCA活動を支援する京都の団体「京都パレスワイズメンズクラブ」からの1千万円をはじめ、各地のワイズメンズクラブから寄付が集まっている。昨年12月にはラオスの労働社会福祉大臣に学校設立の内諾も得た。

 学校は首都ビエンチャンに設け、2年制。校長など教職員は日本人とする。日本のホテルとも協力して奨学金制度をつくり、卒業後には日本のホテルで働くことも想定している。

 2025年に迎える日本とラオスの国交樹立70年に合わせて開校する計画。12月9日には京都市内で資金を募るラオスを舞台にした映画の上映会も予定している。大野さんは「京都市にとってラオスは市動物園にアジアゾウ4頭の寄贈を受けた国なので関係を見守っていてほしい」と語る。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース