【文系それとも理系】文理選択めぐる生徒たちの悩み 「理系が将来有利」「文系専攻は実用性に欠ける」

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

スタディプラス株式会社(東京都千代田区) の『Studyplusトレンド研究所』は、公益財団法人山田進太郎D&I財団(東京都港区)と共同で、2023年6月と7月に「文理選択」に関する調査を実施しました。その結果、文理選択の決定タイミングについて「中学生時点で決定済み」と答えた割合は、理系が約4割、文系が約2割となり、理系より文系のほうが遅い傾向がみられたそうです。

調査対象者は、いずれも学習管理アプリ『Studyplus』ユーザー(高校生、大学1年生、大学2年生)で、6月調査は3297人(うち2740人が文理選択済み)、7月調査は3292人(うち2601人が文理選択済み)からインターネットで回答を得ました。

まず、全回答者(3297人)に対して、「文系または理系で進学することを決めた時期」を教えてもらったところ、理系は37.1%、文系は22.9%が「中学生時点で決定済み」であることが明らかとなり、全体的に文系は決定タイミングが遅い傾向が見て取れました。

さらに、「中学3年生の頃、文理選択についてどう考えていましたか」と聞いたところ、文系生徒の約6割(男子69.1%、女子57.6%)、理系生徒は約半数(同46.8%、56.5%)がグレーゾーン(※)であることが分かりました。

※多くの学生は、高校1年生の秋~冬にかけて文理選択の決断を迫られます。その1年前にあたる中学3年生時点で、「文系・理系を明確に選択できていない学生」「文系・理系を明確に選択できているが、最終的な進学先が逆転した学生」のようなステータスの学生を、本調査では “グレーゾーン” と定義しています。

続けて、「文系または理系を選択した理由」を複数回答で答えてもらったところ、文系の選択理由は「理系科目が苦手だったから」(49.9%)、「理系科目が嫌いだったから」(32.4%)、理系の選択理由は「理系で学べる内容に興味があるから」(55.6%)、「理系科目が好きだったから」(54.2%)が上位に。

また、文系を選択した生徒に対して、「選択した理由」を教えてもらったところ、男子は「文系で学べる内容に興味があるから」(47.7%)が最多に。一方、女子では「理系科目が苦手だったから」(53.4%)が最多となり、男子が学びの内容への興味・好みを示したのに対して、女子では理系に対するネガティブな理由が、男子より高い傾向が見て取れました。

他方、理系を選択した生徒に対しても「選択した理由」を教えてもらったところ、男子は「理系科目が好きだったから」(54.2%)など、文系と同様に学びの内容への興味・好みを示す項目が上位となった一方で、女子では「理系進学した後の就職・職業などの将来像が見えたから」(44.8%/男子比+9.7pt))といった将来的なキャリアを見据えた理由が男子より割合として高くなっていました。

さらに、「文理選択時の悩みや迷い」については、43.5%の生徒が「あった」と回答。

文系を選択した生徒は男女ともに「周囲から理系の方が将来有利だと言われ、迷った」(男子48.0%、女子34.9%)、「理系と比較して、文系の専攻が実用性に欠けるのではないかと不安に思った」(男子36.6%、女子35.5%)など、将来性への不安を指摘する項目が上位に。他方、理系を選択した生徒では、男女ともに「選択したい方に苦手科目があったので不安に思った」(男子34.4%、女子59.0%)が最多となり、特に女子は約6割と多くなっています。

次に、「文理選択をする際に活用した情報源」を複数回答で答えてもらったところ、「学校の先生(担任)」(52.1%)、「家族」(35.9%)、「同級生」(31.7%)などが挙げられました。さらに、「学校や教員のサポートによって、文理選択に対する自信や意欲が高まりましたか」と聞いたところ、53.3%の生徒が「高まった」と回答しました。

また、「学校や教員から受けたサポートの満足度」については、55.2%の生徒が「満足している」と回答。一方、「満足していない」(7.9%)と答えた生徒に、「具体的な不満点」を複数回答で教えてもらったところ、「説明が不足」(37.4%)、「選択肢が限定的」(35.8%)、「進学実績優先に感じた」(29.2%)などが上位に挙げられました。

   ◇  ◇

以下の調査は、7月に実施された調査で、対象者は3292人(うち2601人が文理選択済み)となっています。

「文理選択後に文系または理系を選んだことを後悔したことがありますか」と尋ねたところ、男子生徒は18.5%、女子生徒では21.6%と約2割が「後悔がある」と回答。

また、「文系と理系を選択し直せるとしたら、何をもっと知りたいですか」と聞いたところ、「将来のキャリアや職業に与える影響」(41.1%)、「受験に関連した勉強内容」(41.0%)、「大学進学校の学びの内容」(36.2%)など、将来との繋がりや勉強内容についての情報を求めていることが分かりました。

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