京都府南丹市美山町の市南丹みやま診療所で施設名の文字をかたどった看板を巡り、住民から「見た目が悪い」と不満の声が出ている。前身の「美山診療所」の看板から「美山」を取り外し、そのまま使っているためだ。外した跡が目立つ状態で、市は「新設に向けて検討したい」とする。
看板は建物壁面に設置されている。1文字ずつで、かつては診療所の建物の上部に「美山診療所」とあった。2021年4月の市直営化で名前が変わったのに合わせ、「美山」の2文字を撤去。現在は「診療所」の3文字のみを掲げている。しかし看板を固定していた金具が残ったままになっている。
診療所は町中心部に位置し、目の前には道の駅もある。住民だけでなく、多くの観光客の目にも触れる状況で、地元男性(87)は「外されてからずっと情けないと思っていた」と首をひねる。
市は直営化以降、財政状況などを背景に無料送迎廃止や入院病床を休止したこともあり、同町の女性(75)は「お金をかけるのがもったいないのだろうか」といぶかる。
山内守副市長は「住民の声を真摯(しんし)に受け止める。看板を作り直す方向で検討したい」と話している。