普段見慣れないエンジン警告灯がメーター内に点灯すると、このまま走行しても大丈夫か?事故につながらないか?など、不安になりますよね。点灯したときに落ち着いて対応できるように、現役整備士がくわしく解説します。
エンジン警告灯が点灯する理由はさまざま
エンジン警告灯の役割は、車に不具合や異常が発生したことをドライバーに知らせることです。エンジン警告灯という名称ですが、決してエンジンに関することだけには限りません。点灯する原因は多岐にわたります。特に2000年代以降、車に搭載されるコンピュータやセンサーの数は右肩上がりで増えており、その分警告灯が点灯する原因も、ひと昔前と比較しても増えています。
最近ではメーター内のインフォメーションやナビ画面に、簡潔にですがどうするべきかメッセージや案内が出る車が増えていますが、エンジン警告灯の点灯だけでは、どう対処すれば良いか分からないドライバーも多いです。
いずれにせよ、まずやるべきことは安全な場所に車を一度、停車させることです。その後、かかりつけの整備工場に問い合わせして、プロの判断を仰ぎましょう。
ただし、口頭だけでは具体的にどこの何が悪いのかは判断できないことがほとんどで、診断機(テスター)を繋がないと原因はわかりません。
おおむね、通常の走る・曲がる・止まるという車の操作に支障がなければ、自走で工場への入庫を促されるでしょう。走行が困難である場合は、レッカー搬入が安全かつ確実です。
点灯を消そうと、エンジンを掛けたり止めたりする人がいるけど…
整備工場からの指示がない限りは、走行を控えることがまずは大切です。
また、エンジン警告灯が点灯したときに、警告灯が消えるかもしれないと、何度かエンジンを掛けたり止めたりする方がいます。
一時的な不具合により、車種やメーカーによってはこの方法で正常復帰することもあります。しかし、その後工場へ入庫して診断機に繋いだときにはエラーの履歴も消えてしまっていて、どのようなエラーが入っていたか分からないケースがあります。こうなってしまうと、原因の特定・診断が困難になってしまいます。
可能であれば、エンジン警告灯が点灯した際はすぐに整備工場に問い合わせしたうえで、なるべくエンジンを止めずにそのまま入庫させるのがベストです。