熱中症はわかっているけど「エアコンをつけたくない」3人に1人使用せず なんでつけないのか…解決策は?

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生命を脅かすほど暑いのに、夏場でエアコンをつけずに熱中症になる人々が問題になる昨今。特に年輩層は、「寒すぎるから」「光熱費がもったいない」というのを理由につけないという調査結果も。どうすれば身体が冷えすぎることなく、節電対策となるのか…。総合空調メーカー「ダイキン」(本社:大阪市北区)に取材しました。

命を落としてしまうことあるのに…エアコン嫌い!?

6〜9月で熱中症で救急搬送された人は毎年4万人以上、また命を落としてしまう人は1000人以上。その死亡者の90%以上がエアコンを使っていないという事実が判明しています。同社が2023年6月に実施した調査では、梅雨から夏場にかけて熱中症対策をおこなう人は9割と関心が高いものの、エアコン使用者は約6〜7割、夏場の期間でも3人に1人が使用していないという結果となっています(出典1)。

しかも、エアコンを使わない人の約7割が、温度の高さだけでなく湿度の高さも熱中症リスクを高める一因であると知っていながら使っていないとのことです(出典1)。

また、60代以上を対象とした調査(出典2)では、60〜90代の熱中症対策の1位は「こまめに水分を補給する」ですが、80・90代の2位は「窓を開けて室内の風通しをよくする」。エアコンを利用しない理由が、80代・90代の1位が「体が冷えること」、3位が「エアコンや扇風機を使うことで電気代がかかること」というのも大きな要因となっているようです。

高齢の親が昔のままの感覚でエアコンをつけずに困っている家族によるSNSでの投稿も珍しくありません。どのようにすれば、もっとエアコンを効率的に使用できるのか? ダイキンの広報担当者・野田久乃さんにお話をお伺いしました。

体が冷えすぎる、電気代が気になる…対策を聞きました

ーー冷えすぎるという悩みを抱えている人が多いのですが、何度に設定すれば?

「大事なのは、エアコンの設定温度を何度にするかではなく、部屋の温度を何度にするかです。環境省では、夏は室温・28度を目安にすることを推奨しています。エアコンの機種や設置場所、部屋の大きさや気密性、その時の気候など、環境によって設定温度は変わる可能性があります。温度計を部屋に置いていただき、それで何度か確認していただくと目安になります」

ーー冷えすぎるのがイヤで、冷房ではなく除湿にする人、また除湿機を使う人もいるようですが、それでも大丈夫ですか?

「徐々に暑くなる中、熱中症予防の重要性が増しています。熱中症の予防には、温度と湿度の両方を下げることが大事です。エアコンの冷房運転と比べて室温が下がりづらい除湿運転だけでは、熱中症の暑さ対策としては不十分な場合があります。また、エアコンは使わずに除湿機だけを使う場合でも室温を下げることはできません。ぜひエアコンも使っていただければと思います。

室温が28℃程度になるような設定温度で冷房運転し、室温を下げましょう。そのうえで、湿度は50~60%程度にすることをおすすめします。エアコンだけでは湿度が下がりづらい場合は、除湿機を併用することも工夫のひとつです」

ーーこの暑さで長時間の使用になりそうなことも含めて、光熱費が気になる人が多いのですが可能な対策は?

部屋をちょっと出る場合や、日中30分程度の短い時間の外出であればこまめにオンオフよりもずっとつけていた方がいいというのは周知の通りです。あとは、下記のような対策ができます。

・エアコンの温度を下げる前に、風量を強く

温度を下げることよりも、風量を強くするときの方が使用する電気量は少なくすみます。

・温度ムラをなくすために、扇風機も併用

冷たい空気は下へたまりやすくなっています。冷たい空気が下にたまって、上の天井の方は暑いという状況になると、エアコンが「設定温度になっていない」と勘違いして必要以上に稼働してしまうことがあります。そこで、エアコンの風向きは水平に、また扇風機を使って部屋の空気を撹拌することも有効です。

温度ムラを解消することは、電気代の節約としても効果的なのに加えて、足元ばかりが冷えるという悩みが解消できる可能性も。また適度に風を感じることで、体感温度が下がり、設定温度も下げすぎずにすみます。

・フィルターの掃除はこまめに、できない人は…

フィルターが汚れていると空気の通りが悪くなり、それだけ多くの電気量がかかります。負担かもしれませんが、可能であれば2週間に1度のお掃除をおすすめします。最近は、フィルター自動お掃除機能を搭載した機種も多くあります。

・室外機の周辺になにか置いていないか確認

室外機が陽に当たらない場所に置くことも工夫の一つですが、その周辺に物を置かないことも大事です。吹き出し口の周りにごみ袋や植木鉢などを置かれていることも多く見られます。それでは空気の流れが悪くなり、涼しくする力が弱くなってしまいます。風通しが良いように意識してください。

昨今、電気代の値上げが続いています。節電方法のさらなる情報や、電気代の計算方法なども含めて、当社WEBサイトの「エアコンの電気代を節約する方法」にて紹介しておりますので、ご参考にしてみてください。また、10〜20年前の商品に比べて、最新の機種は省エネ性や機能も進化しています。10〜15年と使ううちにランニングコストにも差が出てきますので、古い機種をお使いの場合は買い替えをご検討いただくのもひとつの手段です」

◇ ◇

それでも年配層が頑としてエアコンをつけないということもあるでしょう。その際は家族が、ある一定の室温になるとエアコンが自動で運転を開始するように設定できる機種や、携帯のアプリでオンオフなど遠隔操作できる機種の導入を検討してみるのもいかがでしょうか。節約していていたはずなのに入院費がかかれば元も子もなく、ましてや命の危険が脅かされてからでは遅いのです。

●ダイキン https://www.daikin.co.jp
●ダイキン「お悩み調査隊がゆく」 https://www.daikin.co.jp/air/life/issue
●ダイキン「エアコンの電気代を節約する方法」 https://www.daikin.co.jp/air/life/electricbill

●ダイキン「エアコンの『冷やすしくみ』と電気代の関係」https://www.daikin.co.jp/air/life/mechanism

出典1:「熱中症リスク軽減に不可欠なエアコンの使用実態」に全国の20代~60代の男女1046名態(調査期間:2023年6月2日~6月6日)
出典2:一般財団法人 日本気象協会「熱中症ゼロ」プロジェクト調べより 調査時期2023年5月

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