段ボールに入れ、畑に捨てられた子猫「目も開いてない子が警察署に」 ミルクとお湯持って3時間かけて駆けつけた 「おいで」と呼べば胸に飛び込む甘えん坊に

渡辺 陽 渡辺 陽

まるちゃん(5歳2ヶ月・オス)は、赤ちゃん猫の時に東京の八王子警察署に保護された。神奈川県在住の美由紀さんは、八王子警察署に仕事でほぼ毎日出入りしている友達から、「まだ目も開いていない子猫がいる」と聞いて会いに行ったが、もう目はしっかり開いていて生後1ヶ月くらいだったという。

「もともとその友人から『春や秋には落し物の窓口に、よく子猫が保護されている』という話を聞いていました。『もし保護主や貰い手がないようなら連絡して欲しい』と頼んでいたのです。それから4年ほど経った頃、仕事が休みでたまたま家にいた日に突然、まるが保護されていると聞きました。私が行かなかったら警察で1匹で一晩明かすと聞いて、いても立ってもいられず。猫用ミルクとスポイトとお湯とスリングバッグを持って電車を乗り継ぎ、片道3時間近くかけて迎えに行きました」

当時、美由紀さんは、14歳の大型犬のおじいちゃんと18歳の老猫おばあちゃんを飼っていた。しかし、「子猫をとりあえず助けなければ!」という思いで、後先考えずに迎えにいったそうだ。里親は後から探せばいいと思っていたが、顔を見たら可愛すぎて手放せなくなったという。ペットの多頭飼育に慣れていたので、抵抗はなかったそうだ。

静かな生活が一転

美由紀さんは、駅前で友達と合流して、タクシーで八王子警察署へ。

「初めで会った時は、小さくて痩せていました。でも、元気にミルクを飲み干し、すぐに寝てしまいました。八王子の畑に段ボールに入れられて1匹で捨てられていたところを保護され、届けられたそうです」

一応拾得物だったので、美由紀さんは引き取るにあたり警察で一筆書いて、また電車を乗り継いで家に連れて帰った。

まるちゃんは、自分より何十倍も大きい犬に匂いを嗅がれたり鼻で転がされたりしたが全く動じず、おじいちゃん犬の後をついて回っていた。

名前は、痩せていたので、丸く大きくなって欲しいという願いを込めて「まる」と名付けた。まるくんは、寂しがりやで甘えん坊。夜に電気が点いていなくて、誰もいないとゲロを吐くことがよくある。お風呂に一緒について入って、蓋の上で見学するのが好きだ。

美由紀さんのことが大好き過ぎるまるくん。迎えた時から抱っこするとよじ登ってきて、自分の鼻を美由紀さんの鼻の中にねじ込んでくる。他の人にはしない。 
「お手も3日で覚えて、おいで!と手を広げれば、床やテーブルの上から胸にジャンプしてきます。これも私限定です。帰宅して玄関の鍵を開けると寝ていても飛んできます。私が車で帰ってくると、飛び起きて窓から私を確認して、玄関に走って行くそうです。娘からはワンニャンマザコンと呼ばれています」

老犬老猫だけの静かな生活に、エネルギーいっぱいの子猫まるくんが入ってきた。当然、老犬老猫にとってはウザイ存在でもある。美由紀さんは言う。

「先住の子にストレスにならないように気をつけていますが、賑やかで楽しくなって、家庭に笑いが増えたと思います」

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