東九州自動車道に、変わったデザインの注意標識が設置されている。「わき見注意」を促す標識だが、そこに描かれているデザインは黒一色で描かれてはいるが、どう見てもブルーインパルス仕様のT-4練習機だ。
思わず注目してしまいそうなデザインの標識がどうして設置されたのか、西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)に聞いた。
航空自衛隊新田原基地を発着する自衛隊機が道路上空を飛ぶ
この標識が設置されているのは、東九州自動車道の西都ICと高鍋IC(いずれも宮崎県)の間にあたる区間。NEXCO西日本によると、上り線(大分・延岡方面)と下り線(宮崎市方面)に2カ所ずつ設置されているという。
では何故、ブルーインパルス仕様のT-4がデザインされているのだろうか。
じつはこの区間の東方向、数百メートルに航空自衛隊の新田原(にゅうたばる)基地がある。同基地には第5航空団があり、F-15を装備する戦闘機部隊や救難隊などの航空部隊が配備されている。この標識が設置されている区間は滑走路の延長線上にあたるため、タイミングが合えば、道路の上空を自衛隊機が通過するという。
そのため、基地を発着する航空機に気を取られて事故を起こさないよう注意を促すべく、ブルーインパルスがデザインされた標識が設置されているというわけだ。
実際に、航空機を見てわき見運転をするドライバーが多いか否かについては「わき見運転している状況は、分かりかねます」とのこと。
では、このデザインになる前は、どんな標識で注意を促していたのだろうか。
「この標識がある西都ICから高鍋IC間の開通当初である2010年7月から設置されており、以前の標識はありません」
ちなみに、ブルーインパルスは宮城県にある松島基地が本拠地で、しかも所属は第4航空団である。ブルーインパルスの本拠地ではない宮崎県で、ブルーインパルスをデザインした標識が設置されている理由については「デザイン等に関する資料が無いので、詳細は不明です」とのこと。
もっとも航空自衛隊といえば、華麗な曲技飛行を行い、ファンの多いブルーインパルスのイメージが強いことと、注意標識なのでドライバーに見てもらわなければ意味が無い。また、高速で走る車から瞬間的に認識してもらえることを期待して、このようなデザインが採用されたのだろうと想像できる。
尚、NEXCO西日本のFacebookには、ブルーインパルスが本当に東九州自動車道の上空を飛んだ際の画像が公開されている。