ライナスくんは、原因究明のために開腹手術までした。ただその後、膵炎の可能性があるのでその治療を始めたところ薬が効き、ようやくごはんも食べられるようになり回復したそうだ。
「持病を持っていると分かって家族に迎えるのか、と不安な気持ちと迎えることを迷う気持ちでいっぱいになりました。家族会議も開きましたが結局は私が決めることです。年も押し迫る中、思い切って家族で2匹に会いに行きました」
保護主さんの説明通り、二人はとても臆病で抱っこもできず、触れることも嫌がり、存在をないことにするかのように身体を低く伏せたまま身動きもしなかった。
「夫もその様子を見て本当にうちに来ても大丈夫なのかな、馴れるのかなと心配していました」
年が明け、ライナスが通院していた病院とキースの病院が偶然にも同じと分かり、Yoshikoさんは、獣医師に今後のライナスの病状について相談に行った。獣医師は再発のリスクを私に説明し、膵炎の怖さも教えてくれた。
そして、最後に「膵炎にかかってしまった以上、この子にはもう里親さんは見つからないと思います。でも、もし見つかるとすればYoshikoさん以外にいないのではないですか?キース君の病気とあそこまで向き合った経験のあるYoshikoさんなら里親さんになれると思います」と言った。
Yoshikoさんに迷いはなくなり、保護主さんに「このまま順調に通院を終えたら2023年2月22日に2匹を家族として迎えたい」と伝えた。
素晴らしいプレゼント
2匹は用意したケージにスムーズに入ってくれた。Yoshikoさんは、中が見えないよう布でケージ全体を覆い、落ち着いてもらうようにした。
「時々のぞくとライナスはシャーっと警戒モード、ルーシーは目をそらし不安そうにライナスのそばに寄り添っていました。この二人は一生ケージから出てこないのではと不安に駆られた一夜でした」
名前の候補は色々上がったが、テレビでスヌーピーの生みの親のシュルツさんのドキュメンタリーが放送されていて、「スヌーピーいいよね!」と話が盛り上った。
「チームピーナッツにはたくさんのキャラクターがいますが、甘えん坊のライナスとしっかり者のルーシーが二人にピッタリだととんとん拍子に決まりました」
キースくんと暮らした日々はYoshikoさんたちにたくさんの喜びを与えてくれた。しかし、キースくんを失い、キースくんのことを想ったり、口にするたび悲しみがこみ上げ、泣いてばかりいた。
「存在感の大きさを思い知らされた日々でした。けれど、2匹が再び私たちに明るく素晴らしい毎日をプレゼントしてくれたのです。ライナスはスカしていますが、どこか憎めないどんくさいビビりくん。ライナスのことが大好きなルーシーは控えめな性格ですが、私たちには思いきり愛情をぶつけてきてくれます。その愛情を夫と二人で取り合っています(笑)。2匹の命に責任を持つためにも、まず自分たちが健康に、家族5人でこれからも楽しく暮らしていきたいと思います」