暑い日々が続き、食欲が落ちている人もいるでしょう。夏を乗り切るためにも、朝食はしっかりとりたいところですが、忙しさに追われて、簡単なメニューになってしまいがち。なんとか栄養バランスを整えたいものですが、夫婦で考え方が違うと難しいようです。
朝食担当の夫が菓子パンばかりを用意する…
R子さん(茨城県在住、30代、会社員)は朝の出勤が早く、朝食の準備は夫(30代、会社員)が担当しています。最初はトーストと簡単な卵料理を用意してくれていたのですが、徐々に手間をかけなくなり、今では前日にスーパーで「あんドーナツ」や「クリームパン」などを買ってきて出すだけになりました。
娘(5歳)と息子(3歳)は菓子パンが大好きなので大喜び。しかし、R子さんは朝から甘くて高カロリーな内容なので気になってしまいます。体重はもちろん、子どもたちが虫歯になりそうで心配です。
夫に改善をお願いしても拒否
そこで、R子さんは「もっと普通のものにしようよ。栄養バランスも考えて欲しい」と夫にお願いしました。ところが、夫は素直に応じてくれません。「トーストにバターとジャムをつけるのと、あんドーナツやクリームパンは何が違うの?」と屁理屈まで言い出す始末。
「毎日菓子パンだと食費もバカにならない」と、今度は経済面で攻めてみましたが、夫は「タイムイズマネー」と言って、聞く耳を持ってくれません。
子どもたちが食パンを嫌がるように
ある日、何を思ったのか夫は朝食にシュークリームを買ってきました。「シュークリームはおやつやデザートでしょ!」とR子さんは意見しましたが、夫は「菓子パンと大して変わらない」と謎の理論を展開。さらに、大喜びの子どもたちを見てご満悦顔です。1人で反対するR子さんが悪者のようになってしまいました。
「さすがに毎日シュークリームになるのは困る!」と思ったR子さんは、仕方なく自分で朝食を準備することに。といっても、R子さんは朝早く出勤するため時間がなく、トーストとカップスープを出すのが精一杯です。しかも菓子パンやシュークリームに味を占めた子どもたちからは「えー!クリームパンがいい!」と言われてしまいました。頑張って早起きして朝食を用意したというのに、報われません。
「頑張っているのに…」と怒りの矛先は夫へ
夫が朝食準備の手を抜いたせいで、すっかり甘党になってしまった子どもたち。せっかく用意した朝食にいろいろ文句を言われると、早起きして頑張ることが馬鹿らしくなってしまいました。「本来菓子パンはごくたまに食べる特別枠だったのに…」と夫への恨み節が止まりません。朝食担当を外したとたん、朝ギリギリまで寝ている夫にも腹が立ち、結局朝食の担当は夫に戻しました。
すると、夫は当然のように菓子パンやスイーツを子どもたちに食べさせます。その姿を見て再びイライラしてしまうR子さん。できることなら自分が手の込んだ朝食を作りたいところですが、それでは体力が持ちません。
家庭の朝食事情について知りたい!
「共働き家庭は朝食に一体何を出しているの?」と、R子さんは他人の朝食事情が気になり始めました。とにかく、菓子パンやスイーツの朝食は一刻も早く止めたくてたまりません。するとこんなエピソードが寄せられました。
▽埼玉県・40代・中2女子、小5女子の母
我が家は9割がパン朝食です。パンと牛乳。家族それぞれの好みでバターやジャム、チョコクリームやハムなどを挟んで食べる簡単なものですが、夫の実家に帰ると、義母が前日からいりこで出汁をとった野菜たっぷり味噌汁とご飯と魚です。子どもたちは「この味噌汁おいしい!」と普段食べない野菜が入っていてももりもり食べます。
▽大阪府・50代・高2男子、中3女子の母
週末は家族全員起きる時間が違うので、菓子パンなどを用意しておきます。チョコパンやメロンパン、焼きそばパンやコロッケパンなど、甘いものとしょっぱいものを用意しますが、先に無くなるのは甘いパンです。朝は糖分を補給したくなるのかも。
▽愛知県・30代・小3男子の母
基本パン食ですが、夏の暑い日はおにぎりがすすむような気がする我が家です。
◇ ◇
共働き家庭は比較的用意が楽なパン食が選ばれることが多い様子。各自で簡単に調理することもできますし、菓子パンなどなら用意しておけば好きなものを選んで食べられるのもメリットになっているようです。「朝食を抜かない」ことについては、有効な方法ではあるのでしょう。
ただし、菓子パンのみの朝食ではバランスよい朝食とは言えません。作り置きのおかずやフルーツなどで栄養バランスを調整することも大切です。R子さんの場合は、夫婦間での食育の考え方の違いも大きな溝になっているように思います。
1日のエネルギーを作る朝食の重要性を、家族で見直してみることも必要かもしれません。