【生前贈与】「内容や仕組みを知っている」人は3割強 「相続税の節税」がメリットの一方で、デメリットは?

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

ベンチャーサポート相続税理士法人(東京都中央区)は、全国の60代以上の親を持つ男女1017人を対象に、「生前贈与」に関する調査を実施しました。その結果、生前贈与について「内容や仕組みを知っている」と答えた人は3割強に留まりました。また、生前贈与のメリットは「相続税の節税」が最多となった一方、デメリットは「手続きの煩雑さ」が最も多かったそうです。

調査は、2023年2月にインターネットで実施されました。

まず、「生前贈与に関する認知度・理解度」について調査したところ、「生前贈与という言葉だけは知っている」(57.4%)が最多に。以下、「生前贈与の内容や仕組みを知っている」(36.4%)、「知らない」(6.2%)と続き、認知度は9割を超えているものの、理解度はまだまだ低いことがうかがえました。

さらに、「生前贈与の検討状況」については、「今後検討したい」と答えた人が48.2%。次いで、「検討している」が8.9%、「すでに生前贈与を受けた」が4.5%と続いた一方で、「検討するつもりはない」と回答した人は38.4%でした。

また、「すでに生前贈与を受けた」「検討している」と回答した137人に対して、「生前贈与を検討している、またはすでに生前贈与を受けた資産」を複数回答可で教えてもらったところ、「現預金」(78.1%)、「不動産(土地や建物)」(40.9%)、「生命保険」(17.5%)、「株式などの有価証券」(11.0%)などが上位に並びました。

「すでに生前贈与を受けた」と答えた47人に対して、「すでに生前贈与を受けた金額」を教えてもらったところ、「1000万円以上〜5000万円未満」(29.8%)、「100万円以上〜300万円未満」(23.4%)、「100万円未満」「500万円以上〜1000万円未満(いずれも14.9%)といった回答が上位を占めました。

他方、「生前贈与を検討している」と答えた90人に対して、「生前贈与額として見込まれる金額」を教えてもらったところ、「100万円以上〜300万円未満」「1000万円以上〜5000万円未満」(いずれも20.0%)、「500万円以上〜1000万円未満」(17.8%)、「100万円未満」(17.7%)という結果となっています。

最後に、「生前贈与の内容や仕組みを知っている」と回答した370人に対して、「生前贈与のメリット・デメリット」を複数回答可で答えてもらったところ、メリットとしては「相続税の節税」(76.5%)、「生前に財産を承継できる」(56.8%)、「相続トラブルを防ぐことができる」(36.2%)が上位に挙げられ、暦年贈与の場合は年間110万円まで贈与税がかからず、相続税の節税効果があること、法定相続人以外にも財産を引き継げたり、家族の気持ちに沿う形で生前贈与することによって相続トラブルを防げたりする点にメリットを感じていることが分かりました。

一方、デメリットとしては、「手続きの煩雑さ」(38.9%)、「一定の金額を超えると贈与税がかかる」(36.0%)、「相続開始前3年以内の贈与は、相続税の課税対象となる」(33.2%)といった回答を挙げる人が多い結果となりました。

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