昨今話題の職種「BizDev(ビズデブ)」とは?…注目の理由や仕事内容を徹底解説

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「BizDev(ビズデブ)」とは「Business Development」の略であり、「事業開発」とも呼ばれる、昨今スタートアップ、ベンチャー企業で特にニーズが高まっている職種です。本記事では、BizDevが注目される理由/仕事内容/身につくスキル/キャリアパス/どんな方に向いているのかについて詳しく解説していきます。

(1)BizDevの仕事とは?
(2)BizDevが必要とされる背景
(3)BizDevで活かせるスキル・経験
(4)BizDevで身に付くスキル
(5)BizDevに向いている人・向いていない人
(6)BizDevから拡げるキャリアパス

BizDevの仕事とは?

BizDevは、ビジネスモデルや新規事業を一からつくることはもちろん、既存事業の成長角度を上向きに変えることも仕事のひとつです。例えば、既存事業に新たなマネタイズポイントをつくる、外部とのアライアンスによる施策を打つことなどが挙げられます。外部とのアライアンス締結はもちろん、予算策定や法的なライセンス取得をリードするなど、仕事内容は多岐にわたります。 

BizDevが必要とされる背景

ベンチャー、スタートアップ企業はインターネットの発達と相まって私たちの身近な課題を数多く解決したり、便利にしたりしてきました。これにより、顕在化しやすい課題や、解決策を導きやすい課題に対応するモノやサービスは既に市場に出回っており、昨今のスタートアップは、より複雑な課題に取り組まなければ事業や企業を成長させることが難しい状況です。

モノやサービスが溢れ成熟しているマーケットにおいて、スタートアップは、自社のみでサービスを提供するのではなく、産業そのものの仕組みの改革を伴う、より大きな課題と向き合うことになります。しかし、リソースが限られたスタートアップ単体では簡単ではありません。そこで、スタートアップが大手企業等と手を携えて、双方のリソースを活用しながら新しい事業を創り出すことが求められるようになっており、これがBizDevの役割の一つと言えるでしょう。

BizDevで活かせるスキル・経験

各社のBizDevの募集要項を見ると、企業によって役割や求められるスキルが異なることが多いと思います。BizDevは顧客にとっての新しい付加価値を創り出すことが第一の仕事ですので、顧客視点に立って、顧客が欲するものを見出す能力は最も重要なスキルと言えます。スキルセットでは、事業企画、マーケティング、セールス、プロダクトマネージャーなどで培ったスキルは活かしやすい傾向です。

また、マインドセットについては、事業は必ずと言っていいほど大変な苦労を伴うものですので、粘り強くやり遂げる姿勢、足りないリソースは自分で、あるいは人の手を借りて何とかする、といったバイタリティも大切なマインドの一つです。その他、社内外含めて多くのステークホルダーを巻き込みながら仕事を行うポジションのため、異なる職種に対する一定の知識や自身の専門領域外も積極的に学ぼうとする好奇心も必要だと言えます。

BizDevで身に付くスキル

BizDevの経験を通して身に付くスキルとしては、どのようなものがあるのでしょうか。例えば、下記のようなものが挙げられます。

①顧客課題を解く:市場の大きな変化や、ユーザーの課題を探索し、事業の価値仮説を作る
②PL/KPIの成長レバーを見つける:事業構造を分解し、優先順位をつける
③行動と学習のサイクルを回す:仮説に対して早く実行して学習、次の仮説...を早く回転させる
④外部パートナーと協働する:ステークホルダーが実現したいことを理解して両者の便益を共存させる

どのスキルも、一朝一夕で身に付く能力ではないと思います。実際には、仕事に向かい、一つずつ壁を乗り越えることで、経験が血肉になって身に付いていくことでしょう。

BizDevに向いている人・向いていない人

BizDevは論理的に物事を考える側面が必要である一方で、不確実性の高いイシューと向き合うことを求められます。物事を俯瞰して構造化する能力は必要ですが、それと同じくらい、恥をしのんで失敗を繰り返しながら学習する姿勢も必要となります。両者をバランス良く持っている人は、BizDevとして活躍できると言えます。

BizDevとして活躍している人は、好奇心や学習欲が強く、学ぶことが好きという共通点があります。活かせるスキルや経験は先述の通りですが、全てを兼ね揃えていることは滅多にありません。担当する事業ドメインに深く飛び込み、市場の歴史や構造、海外事例や近年のトレンドを様々なステークホルダーから学ぶことが求められる職種です。こうした学習を厭わず、むしろ楽しめる方はBizDevに向いています。

逆にBizDevに向いていない人の特徴を挙げるとすれば、様々な立場の人から学び、現場を知るとことに面白さを感じられない人です。インターネットの検索だけで得られる情報には限界がありますので、ユーザーと直接対話をする、現場を見に行くなど、フットワーク軽く動き学びを深めることも大切です。また、解像度が100%にならないと動けないという人がこの職種に就くとストレスを抱えてしまう可能性が高いです。動きながら考える、実践を通して知見を深め解像度を高めていくという姿勢で仕事ができる人はやりがいを感じられる職種だと言えます。

BizDevから拡げるキャリアパス

BizDevはときには会社の命運をも分ける役割を担うポジションであるため、苦境の中で一定の成果を出すことができれば、自社内問わずより経営に近い役割に繋がっていくでしょう。具体的には、下記のようなキャリアパスが想定されます。

- BizDev管掌の役員:BizDevチームの育成、複数事業への横断的な関与
- 既存事業の責任者:単一事業に深くコミットし、PLを背負う立場
- 新規事業立ち上げ:プロ立ち上げ担当として、立ち上げを歴任
- 経営企画・CSO:会社の複数事業の責任者、戦略策定
- プロダクトマネージャー:BizDevとしての経験を活かしてプロダクト作りに深く関与

BizDevは未だ大きな成功体験を持つ方も少ない状況ですので、採用市場における経験豊富なBizDevは希少です。一方で、解決すべき課題が今後より複雑化することはあっても、その逆はないでしょうから、その文脈で捉えるとBizDevの需要は一層大きくなると考えられるでしょう。なかにはBizDev未経験者の採用を行ない、自社での育成を目指す企業もあります。

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【この記事を監修】
▽株式会社カンム BizDev 宮尾 拓さん
一橋大学大学院修了後、ガイアックスに入社。子会社アディッシュにて事業部長を務める。フリークアウト子会社にて新規事業に携わった後、2019年にカンム入社。BizDevとしてアライアンスや新規事業の立ち上げに従事。現在は投資と決済サービスの Pool のプロダクトマネージャーを担当。

株式会社カンムは、「心理的unbankedをソフトウェアで解決する」を理念に、FinTech領域で事業を運営。アプリからすぐに発行できるバンドルカードや、投資とクレジットが一体となったPoolの事業を展開。2023年3月にはMUFGグループに参画。

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