大谷翔平も着用「ニューエラ」キャップ、つばのシールなぜ剥がさない? イマドキ若者にとって大きな意味とは

山脇 未菜美 山脇 未菜美

米大リーグ唯一の公式キャップであるブランドの「NEW ERA(ニューエラ)」。エンゼルスの大谷翔平選手も着用しており、街中ではニューエラの帽子をかぶった人も多く見られる。でも、つばを見ると、キラキラとした直径5センチほどの円形シールが貼ったまま。一般的に、アパレル商品のタグは取ってから使うものだけど…。調べると、イマドキの若者たちにとっては大きな意味があるようで。

ニューエラは1920年創業し、米大リーグの選手用キャップとして1954年に誕生した「59FIFTY」などが有名。つばがまっすぐになっているのが特徴で、ストリートファッションのアイコンとしても人気だ。

本物だという証。取ると価値が下がる

 大学生の頃からニューエラをかぶり、5個以上持っている男性(31)は「僕の友達はみんな取らないですね。本物だっていう証なんですかね。付けてるほうがかっこいいし、価値が下がってしまうんですよ」と説明する。古着としてメルカリなどで売る時にも、シールがあるのとないのとでは値段が違うといい、「ロゴだけではダメですね」と強調。シールを付けたまま手洗いしたこともあるが、「丈夫で全く、取れません。耐久性もすごいです」と笑う。

 シールを剥がさない理由には、アメリカのブラックカルチャーの影響があるとの逸話もある。かつて貧しい家庭が多かった黒人たちが本物のニューエラキャップを手にするのは難しく、正規品だと証明するためにシールを貼っていたという。ではそもそも、New Eraとしては、シールをどのように捉えているのだろうか。

担当者「サイズや商品を確認するためのもの」

「多くのお客様が、バイザーステッカーをニューエラのキャップの象徴的デザインの一つと捉えていただいておりますが、基本的には、サイズや商品を確認するためのステッカーです」とNew Era Japanの担当者。シールには、各帽子のシルエット名やサイズなどを記載。頭回りのサイズは、1センチを1/8と言い換えて展開し、大人の場合は「7」が55.8センチ、「7と1/8」は56.8センチ、「7と1/4」が57.7センチ、「7と3/8」が58.7センチ…とさまざまな頭囲に対応できるようにしている。「ADJUSTABLE」と調整可能な表示もある。

同社はシールについては「断定した扱い方についてはお答えかねします。剥がす、剥がさないはお客様ご自身のスタイルにて楽しんでいただければ」としている。

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