「就職人気企業ランキング」は、学生が支持し、就職を希望する企業のランキングです。学生から支持を集めている企業の特徴から、仕事選びや働き方のトレンドを掴むこともできます。20代の働き方研究所では、仕事選びや就職観、働き方のトレンドを明らかにするために、株式会社学情が調査した「就職人気企業ランキング」の結果に関して、コロナ禍の3年間(2020年~2022年)の傾向を比較し分析してみました。
(1)トップは、連続して伊藤忠商事
トップは、2020年調査から2022年調査まで連続して、伊藤忠商事となっています。伊藤忠商事は、2018年調査から5年連続で首位の座を獲得。5年連続トップは2001年以降で初めての快挙となっており、人気の高さが伺えます。
(2)2020年調査は、2位の味の素を筆頭に「食品」がトップ10に3社ランクイン
2020年調査は、2位の味の素を筆頭に、「食品」がトップ10に3社ランクイン。10位には食品スーパーが好調だったイオングループが昨年から60以上、順位を上げてトップ10入りしました。コロナ禍での「巣ごもり消費」を牽引した業界が支持を得ていることが分かります。
(3)2021年調査は、講談社・集英社・任天堂が前年から順位を上げる。自宅で楽しめるエンタメが人気
2021年調査では、2位の講談社が前年4位から順位を上げた他、3位の集英社(前年11位)、5位の任天堂(前年6位)が順位を上げました。2021年に入っても緊急事態宣言が断続的に発出され、自宅で楽しめるエンタメが人気を集めていたことが分かります。
(4)2022年調査は、オリエンタルランドがジャンプアップ。「旅行」「レジャー」が回復の兆し
2022年の調査では、オリエンタルランドが昨年33位からジャンプアップし、「旅行」「レジャー」で回復の兆しが見えてきました。行動制限の緩和や、全国旅行支援などの後押しもあり人気が回復していることがうかがえます。また、2位に任天堂がランクインした他、電子コミックが好調な講談社、集英社が10位以内にランクイン。「巣ごもり需要」が一段落してもゲーム業界や出版業界は高い人気を誇っています。電子コミックや動画、ゲームなど、デジタルコンテンツを提供する企業が、デジタルネイティブである学生から支持を集めていることが分かります。
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コロナ禍3年間(2020年~2022年)でトップ10の企業を比較すると、人気の業界の変化が見えてきました。2020年調査は、2位の味の素を筆頭に「食品」がトップ10に3社ランクインしました。コロナ禍で「巣ごもり消費」を支える企業が支持されていたことが分かります。2021年調査は、講談社・集英社・任天堂が前年から順位を上げ、自宅で楽しめるエンタメが人気を集めました。2022年調査は、オリエンタルランドが前年33位から9位まで順位を大きく上げ、「旅行」「レジャー」業界で回復の兆しが見えてきました。
就職人気企業ランキングは、成長する企業や、話題になった業界の移り変わりによって、ランクインする企業が変化します。コロナ禍の3年間で、生活スタイルや働き方が大きく変わり、「働き方」や「休み方」を見直す人も多かったことが、今回のランクインする企業の変化にも反映されていると言えます。
※記事中の「企業名」「業界名」は、発表時時点で統一しています。