「エリンギ栽培キット…
違う、そこじゃないんだ」
思わぬところから生えたエリンギのツイートをしたのは、つゆきのこ(露木 啓)関東きのこの会ライター💻(@tsuyu_kinoko)さん。写真には、まさかの場所から生えてきたエリンギが写っています。普通なら鉢の上に生えてくるはずですが、鉢の下からエリンギが生えていますね。
「どこから生えてるのwww」
「今にも歩き出しそう」
「草というか茸」
「ひょっこりはん」
あまり見慣れないこの光景に驚いた人や大喜利をする人など、様々なコメントが寄せられています。つゆきのこさんにお話を聞きました。
ーー初めてこのエリンギを見た時の感想は?
「朝、霧吹きで水をあげていたら、プランターの下からひょっこり覗いているエリンギに気が付きました。『なんでそこから?!』と思いました。プランターを持ち上げてみたら、思った以上に大きく育ってて2度びっくりです」
ーーエリンギの正式な名称などはあるのでしょうか?
「森のきのこ倶楽部の『えりんぎ農園』から育ったエリンギなのですが、エリンギは日本には自生していないきのこですので和名はありません。学名の『Pleurotus eryngii』の後半部分が商品名として定着しました」
ーー写真のように成長するのは珍しいケースなのでしょうか?
「そもそも『えりんぎ農園』は菌床袋に入れたまま栽培する商品で、底面と側面はビニール袋に覆われているため通常エリンギは上部から発生します。
今回は、説明書通りに1~2回目発生を行った後、3回目の栽培に挑戦する際に保湿のために自分の判断でプランターに植え替えました。そのため、イレギュラーな発生方法をしてしまったのだと思います。
原因としては、プランターに埋める際に菌床と土がぴったりくっついていなければいけないところ、少し隙間が空いてしまっていて、そこからエリンギが成長してしまったのだと考えています。
また、毎日霧吹きで水をあげていますが、土から出ている上部は乾きやすく、下の方に水分が溜まっていたのも影響していると思います。キノコはジメジメした環境が好きですから」
ーーこれまでにもキノコを育てておられますが、珍しいものはありましたか?
「今まで栽培した中で面白かったのは『ササクレヒトヨタケ』の栽培キットです。このキノコは、成長して大人になると、自分で自分を溶かしてしまうという面白い特徴を持っています。だから、一夜茸(ひとよたけ)という名前が付いているんです」
ーーそもそもキノコを育てようと思ったきっかけは?
「元々キノコ散策が趣味なのですが、冬は天然で見られるキノコが少ないため、いろいろなキノコ栽培に挑戦しています」
ーーキノコの魅力とは?
「食べて美味しいだけじゃなく、見た目の可愛さや、多様な胞子の撒き方、毒や成分の違いなど、キノコは知れば知るほど奥深いです。また、趣味のキノコ散策は、季節ごとに出会えるキノコが変わってまるで宝探しのよう。キノコを通して友達もたくさん増えました」
■つゆきのこさんが立ち上げたキノコの情報発信サイト→関東きのこの会