コネヒト株式会社(東京都港区)は、全国の働く女性1553人を対象とした「年収の壁についてのアンケート」を実施しました。その結果、現在扶養内、かつ今後も扶養内を希望する人の半数近くが「配偶者控除が廃止・縮小されたらもっと働きたい」と回答しました。また、扶養範囲を気にせず働くために必要なことについては、「子どもの預け先の確保」「家族や周囲との協力体制」などに回答が集まったそうです。
調査は、2023年3月に同社のサービス利用者を対象にインターネットで実施されました。
現在扶養内、かつ今後も扶養内を希望する人に「配偶者控除が廃止・縮小されたらもっと働きたいですか」と聞いたところ、45.7%が「働きたい」(「働きたい」「どちらかというと働きたい」の合算)と回答しました。
さらに、現在の就業状況別にクロス集計をすると、「パート・アルバイト」の46.0%、「専業主婦」の46.9%が「働きたい」(同)と回答していることから、同社は「『年収の壁』がなくなれば、パートタイマーが今よりも勤務時間を増やしたり正規雇用を目指したりする、あるいは専業主婦が新たに働き始めるという動きが期待できます」とコメントしています。
その一方で、「『年収の壁』が廃止・縮小されればただちに労働力が増えるかというと、決してそうではないようです」とも述べています。そこで、「扶養範囲を気にせず働くために必要なこと」を聞いたところ、「子どもの預け先の確保」(76.8%)、「家族や周囲との協力体制」(73.7%)、「職場の理解」(68.7%)といった回答が挙げられました。
回答者からは、「バリバリ働きたいけど、家のことを自分がほとんど抱えるので難しい。夫は帰宅が遅い」(30代/末子0歳/パート・アルバイト)、「夫の稼ぎでは無理なので、本当はたくさん働きたい。でも学童に落ちて、両親にも頼れないので、働きたくても働けません」(30代/末子6歳/パート・アルバイト)、「頼れる親族が遠方にいるため、子どもに何かあった時に自分が休むしかないです」(30代/妊娠中/パート・アルバイト)などの声が寄せられ、いずれも「家族や周囲との協力体制」に課題があり、パートナーや親族からのサポートが受けられない状態であることがうかがえました。
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調査を実施した同社は「政府は『年収の壁』制度見直しを表明していますが、単に制度を見直しただけでは扶養内の人たちが希望の働き方を諦める可能性があります」と指摘。
さらに「パートナーの長時間労働が改善され、家族間で家事育児負担のバランスが最適化されれば、それぞれが希望する働き方が実現できて家計収入を増やすことができます。企業視点に立てば、扶養内にいた人がもっと働けるようになるため、人手不足の解消につながります」と述べています。