小1の壁に悩む母、時短勤務、正社員から別の雇用形態に 4割弱が「働き方を変えた」

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

子どもの小学校入学を機に子どもの預け先に困り、子育てと仕事の両立が難しくなる、いわゆる「小1の壁」。この小1の壁によって、働き方を見直す女性はどのくらいいるのでしょうか。一都三県(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)に居住し、小学校1年生~6年生の子どもをもつ働く女性1000人に調査をしたところ、4割弱の人が「実際に働き方を変えた」と回答したそうです。

特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール(東京都文京区)が、「小1の壁に関するWEBアンケート調査」と題して2023年2月に実施した調査です。

調査の結果、全体の50.7%の人が「働き方の見直しを検討した」と回答。また、37.9%の人が「子どもの小学校入学にあたって、働き方を変えた」と回答しており、そのうち約4割が「時短勤務に変更」(27.4%)や「正社員から別の雇用形態へ変更」(12.4%)など、柔軟な働き方を求めて就労形態を見直していることが明らかになりました。

また、全体の57.3%の人が「子どもの小学校入学によって子育ての負担や悩みが増えた」と回答。子育ての負担が増えた理由としては、「子どもの勉強サポート」(76.6%)、「夏休みなどの長期休みのケア」(73.1%)など、保育園時代には経験が少なかった悩みが上位に挙げられており、家事・子育てに費やす時間が増えたことで、「イライラする、ストレスを感じるようになった」(66.7%)、「自分の体調不良が起きた」(26.5%)といった心身の不調を感じるケースも見受けられました。

続いて、「働きながら子育てするのが大変だと思うことはありますか」と聞いたところ、84.7%の人が「大変だと思うことがある」と回答した一方で、95.8%の人が「今後も働き続けたい」と考えていることが判明。

そこで、「働くことの意義」を教えてもらったところ、「自己実現」(17.3%)や「スキルアップのため」(20.6%)ではなく、「家計のため」(87.8%)が最多となっており、小学生の子どもを持つ働く女性の多くが、子育てと仕事の両立に悩み、「小1の壁」で心身にストレスを感じながらも、家計を支えるために懸命に働いている姿が浮き彫りとなりました。

また、子育てと仕事の両立に必要なものを尋ねたところ、「配偶者の理解や協力」(67.1%)、「学童保育や習い事など放課後の子どもの居場所」(53.6%)、「上司や同僚など職場の理解」(53.5%)が必要とされていることも分かりました。

最後に、「子どもの放課後」に関しては、61.1%の人が「悩みを感じている」と回答。「子どもの放課後に充実を希望するサービスや場」としては、子どもだけで安全に遊べる場」「友達と一緒に自由に遊べる場」(いずれも51.6%)、「宿題や自主学習をみてくれる場」(44.1%)、「学校のなかでの習い事」(41.8%)などに要望が集まりました。

また、放課後に学校施設を活用し、保護者の就労にかかわらず、希望する全ての子どもへの安心安全で、多様な体験機会と学びの機会のある居場所に対しては、78.4%の人が「通わせたい」と回答しています。

回答者からは、「中学年になると学童から追い出されるので居場所が必要」「親が日中就労していると、してあげられることに制限があり、様々なことを体験できる場があってほしい」「居場所確保、時間の有効利用の意味で習い事に通わせているが、友達や家族以外の大人と安全に楽しく過ごすことも子どもの健全育成には必要」といった声が寄せられていたそうです。

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