中2で引きこもりになった少年「親に否定され続けて何もする気がなくなった」 ブログにつづった思いに、母親が感じたこと

山脇 未菜美 山脇 未菜美

中学2年の時に不登校になり、今も引きこもりがちな少年(18)が、母親のブログに思いをつづり、話題になっている。不登校の一つの理由として親による否定があったといい、「否定されたことによって、何もかもするエネルギーがなくなってしまった」などと書かれている。これを読んだ母親はどう思うのか、聞いた。

少年は関西在住。中学2年生の冬、学校に行けなくなった。理由を聞いても、ふとんをすっぽりとかぶって「行かない」とだけ言われる日々。学校に相談しても「からかっている子はいる」との話があっただけで、明確な理由は分からなかった。

 「甘えだよ」「学校は行くものでしょ」

学校へ行くのは当然だと思っていたので、不安だった。無理やり起こして「甘えだよ」と叱ったり、自身も学校で嫌な思いをしたことを例に挙げて「学校は行くものだよ」と言ったり。思いが空回りして何度もけんかになった。

中学3年になり、一度だけ心療内科に一緒に行った。医師に「どのくらい時間が掛かりそうでしょうか」と尋ねると、こう返ってきた。「学校に行かなくても何とかなるよ。今はゆっくりさせてあげて。30歳になってもいいじゃない」。家でネットやゲーム漬けでも、何も言わないように心掛けた。

「いつ死ぬか分からない」と謝罪

不登校を繰り返し、転機は通信制高校3年の春。親子の会話はできず、家の中でもLINEでやり取りしていた頃だ。知り合いの浪人生が亡くなった。理由は分からないが自殺らしい。ふと息子が思い浮かんだ。このままの関係性で死んでしまう可能性もある…。後悔が残ると思い、心配のし過ぎで追い詰めたことを謝った。息子も少し涙ぐんで謝罪を受入れてくれた。その後、少しずつLINEから直接の会話が増えていった。

自身がブログを始めたのもその頃だ。行動を振り返るとともに、同じ体験をしている人の役に立てばと思った。息子にも、ブログを書いてもらえるように頼み、今年の年始に実現。「私の不登校のきっかけは親による私の否定でした」と書かれた文章には、自身を否定する人間に心を開くのが難しかったこと、将来が明るくないことを理解した上で全てを投げ出してしまっていること、肯定してサポートしてほしかったことなどがつづられていた。

肯定してポジティブな言葉を掛ける

「読むのは苦しかったけど、申し訳ないと思う気持ちが大きかった。親のせいでほかの問題と向き合うエネルギーを奪ってしまったのは事実」と母親。今は肯定することを大切にし、「なんとかなる」「そのままでいいんやで」などポジティブな言葉を掛けるようにしており、表情が明るくなっているという。今も息子は引きこもりがちだが、アルバイトの面接に挑戦するなど、少しずつ前を向いているという。

■母親の経験を書いたまきさんのブログ

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