道路の「ひし形」のマーク、その意味を知っていますか? 現役バス運転手さんの交通ルールに関する投稿が話題に

太田 浩子 太田 浩子

 車の運転免許を取ったときは標識や路面標示について覚えても、免許をとってから何年も経つと忘れてしまっているものもあるかもしれません。特に、標示から意味が連想しにくいマークはあやしいかも…?

「道路を走れば見かけるこのひし形のマーク。
意味を知らないドライバーの皆さん、免許返納をおすすめします…」

 1月13日にこうツイートしたのは、「バス運転手のつぶやき(@busdriver_bot)」さんです。ツイ主さんは現役の路線バス運転手さんで、日頃から運転技術や業務中に感じたことをつぶやいています。ひし形マークについて、その日のうちに解答を投稿しました。

「これは信号等がない『横断歩道又は自転車横断帯あり』の標示です。
50m手前、30m手前と2つ標示されてます。」

 このマークは「ダイヤマーク」と言われるもので、警視庁のホームページには「ダイヤマークとは、『この先に横断歩道又は自転車横断帯があります』と事前に予告する意味の表示で、道路上に白色のペイントで描かれているものです。ドライバーの方はこのダイヤマークを見たら、横断歩道の手前であるため、横断歩行者がいる場合には、すぐに停まれるように注意していただくようお願いします」と記載されています。

 かりに横断歩道の場所を知らなくても、ダイヤマークがあれば、事前にスピードを落とすことができます。たとえば、時速50キロメートルで走る車が止まるために必要な距離の目安が約32メートルですから、ひとつ目のダイヤマークをみてスピードを落とせば横断歩道の前で無理なく止まることができます。

 リプライには、ダイヤマークに関連するような体験談も寄せられました。

「昔遭遇した交通事故。前方で追突事故を起こしたドライバーが追突された方に『何で止まったんだ!!』と食ってかかってた。横断歩道に歩行者がいたら止まるのは当たり前なのに。」

「以前バイクに乗っていた時の話ですが、職場の近くの横断歩道のところでおじいさんが渡りたそうにしてたから停まっていたら後ろから来たプロボックスがクラクションを盛大に鳴らしながら私を抜いて横断妨害して行きましたw」

「こないだ横断中にふと左見たらすごい速度で迫ってきてるスバルのSUVがいてビビって真ん中で止まったら目の前すごい速度で通り過ぎて行った… 女性ドライバーさん軽く会釈してたけど会釈すれば横断者妨害していい訳じゃないぞ!!」

などと、驚きの体験をしている人も多いようです。ドライビングスクールなどの路上試験で、横断歩道横に歩行者がいるのに止まらなかったら、その時点で試験に落ちるはずですが、こちらも忘れてしまっているのでしょうか。もしも歩行者がいるのに止まらなかった場合は、横断歩行者等妨害等違反になり3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金、反則金は普通車9000円、違反点数は2点です。

 「バスの運転手のつぶやき」さんにお話を聞きました。

──免許更新の講習はどのようなものだったのでしょう。

 更新時に配られる安全運転のしおり、交通教本を使っての優良運転者講習でした。交通ルールをいくつか再確認する場面で、「ひし形のマークはなんだか分かりますか?」と講師が数名に聞いてましたが、特に女性は全員答えられていませんでした。

──バスを運転中にも、このマークを理解していないと思われることがありましたか?

 マーク自体は一時停止を求めるものとかではないため、特に実際の運転中の場面でこのマークを分かってないなと思うことはありません。あくまでも免許更新の講習時の話です。しかし日常的に信号のない横断歩道で横断歩行者がいるのに通過していく車は見ます。

──ツイートが話題になりました。

 ツイートにおいては知っている人は知っているとつぶやきますが、知らない人は知らなかったと正直につぶやく人は少数かと思いますので、多分リプをくれた人以上に知らない人はいると思います。

──ツイートを見て、あらためて交通ルールを確認する機会になりました。普段バスを運転されていて、気になることがあれば、ぜひ教えてください。

 いろいろあります。その中でも特に守ってもらいたい2点を伝えたいです。まずはバス停から発車する路線バスには進路を譲ってほしいということ(乗合自動車発進妨害)。バスが右ウインカーを点けてるのに減速もせず、むしろ加速して追い抜き、バスの発車を妨げる車の多いことです。

──なるほど。時々そういう車を見ることがあります。もうひとつは?

 バス停前後の路上駐停車です。バス停の前後10メートルは駐停車禁止ですが、乗降口さえ塞がなければいいだろうと思っているのか、2〜3メートル以内に停める人が多いです。これで困るのは車いすの方がいた場合の乗り降りです。バス停に寄せて停めないとスロープを歩道に渡せません。また、この半径10メートル以内駐停車禁止という法律は、バリアフリー法ができた遥か昔の法律なので、バスが10メートル以上あるのですから歩道に寄せるのに本当に苦労します。バリアフリー法で車いすも乗れる時代にするのはいいですが、道路交通法でバス停の前後の駐停車禁止範囲をもう少し広げてもらうことと、警察や駐車監視員の取締強化で、違法な迷惑駐車を少なくしてほしいと日々感じています。

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