株式会社リクルートは、このほど妊娠・出産情報誌『ゼクシィBaby妊婦のための本』にて行った「無痛分娩」に関する調査結果を公表しました。『ゼクシィBaby』会員で妊婦ならびに0カ月~2歳までの子を持つ母親3753人を対象に、2022年11月インターネット上で実施された調査によると、約6人に1人が無痛分娩を選択していることが分かりました。一方、無痛分娩を選択しなかった理由で最も多かったのは「費用が高いから」だったそうです。
まず、「分娩実施方法」を聞いたところ、「自然分娩」が最も多く63.2%。次いで「無痛分娩」が16.0%と、約6人に1人が無痛分娩となりました。なお、無痛分娩を選んだ人を赤ちゃんの生まれ年ごとに分けてみると、その割合は14%(2021年)→16%(2022年)→23%(2023年予定)と増加傾向にあることが分かりました。
また、「無痛分娩を選んだ理由」については、「産後の体力を温存しておきたい」(79%)、「痛いのが苦手」(78%)が上位を占めたほか、「夫(家族)の立ち合いができず不安で、負担を減らしたかった」など、コロナ禍を理由に無痛分娩を検討する妊婦さんも見受けられたそうです。
一方、「無痛分娩に対してハードルが高いと感じる理由」を聞いたところ、「費用が高い」(59%)が最多に。回答者からは「自然分娩に+5~20万円程度の費用がかかることから諦めた」「実施している病院は自宅から遠く、自然分娩の費用の上乗せと交通費を考えると高すぎました」という声が寄せられたといいます。
次いで、「実施している産院が少ない」(48%)、「麻酔への心配」(35%)と続き、回答者からは「自宅のある市では、総合病院1件しか実施していないし、相当早く分娩予約しないと取れません」「里帰り出産でしたが、自宅から行ける距離には無痛分娩を行っている病院はありませんでした」といった声も寄せられていたそうです。
◇ ◇
2022年の12月に出産育児一時金の支給額を2023年度から50万円に引き上げることなど、一連の医療保険制度改革が厚生労働省の社会保障審議会で了承されました。
そこで、「無痛分娩に対してハードルが高いと感じる理由」について「費用の高さ」と回答した2205人に、「出産育児一時金がアップしたら検討しますか」と聞いたところ、「自然分娩でも出産費用に足りていないので」「無痛分娩はお金がかかるので、増額しても足りない」といった声が多く寄せられ、54.6%の人が「検討しない」と回答したそうです。
◇ ◇
調査を実施した同誌は「費用の高さや、実施している病院が少ないというハードルはありますが、無痛分娩を選択肢に入れるなら、早めに実施している病院や出産費用を調べておくことをお勧めします」と述べています。