お客さんに手に取って買ってもらえるようスーパーの商品陳列にはさまざまな工夫が凝らされています。多くのスーパーでは、入り口から反時計回りに、野菜・果物→肉・魚→惣菜・パン→牛乳という順に商品を陳列し、フロア内側には冷凍食品、飲料、お菓子、保存食品などを並べているといいます。そんな中、イオンのとある店舗の商品陳列が注目されています。この売り場担当者、只者ではありません。
「ちょっと待て、節分コーナーで鬼ころし展開している天才がいるんだが」。Twitterユーザーのなべ(@mabmksmow)さんが投稿した売り場の写真に、ユーザーが見入りました。節分コーナーの豆の隣にしれっと並んでいるのは、「清洲城信長ミニ鬼ころし180mlパック」。清洲桜醸造株式会社(愛知県清須市)の日本酒で、本体価格は90円です。節分とはいえ鬼を払うどころか「ころす」とは…。
なべさんによると、この写真は1月15日の日曜日、東京都板橋区のイオンスタイル板橋店で撮影したもの。大型食品フロアの目立つ位置で、季節ごとの商品が大きく展開される特設コーナーが節分コーナーになっていたそうです。
節分の豆と鬼ころしを同じ棚に並べてしまうという、攻めすぎの感もある担当者のセンスについて「『ここに絡めて鬼ころしをさばくか」という担当者の商魂たくましさに笑ってしまいました」と話します。また、なべさんの投稿には「うまい」「買いそう」「最高のセンスだなぁ」などとユーザーが面白がっています。
鬼ころしと聞くと物騒な言葉ですが、手元の広辞苑をひくと「辛くて強い酒。また、きつくて悪酔いをする酒」と記されています。「鬼ころし 日本酒」で検索すると、清洲桜醸造以外にもこの名が付く銘柄は珍しくないようで、「日本盛 鬼ころし」(日本盛)「尾張常滑郷の鬼ころし」(盛田)「蔵の街 鬼ころし」(中埜酒造)「飛驒自慢 鬼ころし」(老田酒造店)がありました。
日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES(サケタイムズ)」によると、鬼ころしの由来は、平安時代に京都の大江山に住み着いていた「酒呑童子(しゅてんどうじ)」という酒好きの鬼を退治する時に、酒を飲ませ酔っ払わせて退治したという逸話にあり、そこから「鬼のように屈強な男でも酔い潰れてしまうぐらいうまく、アルコール度数の高い酒」のことを、鬼ころしと呼ぶようになったそうです。
なべさんは「ちょこざっぷ」の体験など面白話題を投稿しています。アカウントはこちら→https://twitter.com/mabmksmow