2月18日、第二次高市政権が発足した。振り返れば、2025年秋に日本初の女性総理大臣として高市氏が就任した際、世論の支持こそ高かったものの、議会運営においては少数与党という不安定な足場を強いられていた。しかし、2月に行われた衆議院議員総選挙において、国民は高市政権に明確な信任を与えた。自民党が歴史的な大勝利を収めたことで、永田町の勢力図は劇的に塗り替えられた。もはや高市首相を縛る足枷はなくなり、今後、高市カラーが本格的に色濃く示されていくことは間違いない。
一方、第二次高市政権にとっての重要事項のひとつに、いかにして日本の「戦略的自律性」を強化できるかという点がある。冷戦終結後のグローバル化の波の中で、日本は効率性とコストを優先するあまり、重要品を特定国に依存する環境に陥った。
中国依存からの脱却を
その最たる例が、中国との関係である。現在、日中間ではレアアースや重要鉱物の供給をめぐって、政治的緊張が続いている。中国はこれまで、自国の市場や資源を背景に、外交上の不満を経済的な圧力へと転換する経済的威圧を繰り返してきた。尖閣諸島周辺での緊張や、日本の安全保障政策に対する中国側の反発が、即座に貿易規制、サプライチェーンの遮断などという形で日本企業を脅かす構図は、もはや放置できない国家的リスクとなっている。
こうした背景から、高市政権は経済安全保障戦略の一環として、徹底した中国依存からの脱却を推し進めるだろう。これは決して鎖国的な発想ではなく、むしろ国際的な信頼ネットワークを再構築する作業である。
日本経済が立ち往生しないために
半導体やEV電池に不可欠なレアアースなどの重要物資において、米国をはじめとする同盟国や、高い技術力と資源を持つ友好国との間で、中国を介さない強靭なサプライチェーンを構築することが急務となる。高市首相が志向するのは、たとえ特定の国から供給を止められたとしても、日本経済が立ち往生しないための「しなやかな強さ」を備えた国家構造である。この戦略的自律こそが、21世紀における日本の主権を守るための盾となる。
さらに重要な視点は、この戦略的自律の強化が、中国に対する有効な「間接的圧力」として機能する可能性があるという点である。日本が中国を介さない形でのサプライチェーン構築に成功することは、経済合理性の観点から見れば、中国にとっても大きな打撃となる。
「資源の武器化」という中国のカードを無効に
これまで日本は中国にとって、レアアースや重要鉱物を輸出することで莫大な外貨を稼ぎ、同時に場合によって政治的な揺さぶりをかけることができる相手であった。しかし、日本が自律性を高めれば高めるほど、中国側は日本という優良顧客を失うリスクに直面することになる。日本が代替手段を確保した瞬間、中国の持っていた「資源の武器化」というカードは、その効力を失うのである。
日本としては、レアアースなどの死活的に重要な物資において自らの経済安保環境を徹底的に強化することで、対中耐性を引き上げなければならない。相手の脅しが効かない状態、すなわち脆弱性の解消を実現することこそが、結果として中国に対する強力な抑止力となる。第二次高市政権が目指すのは、対話のための対話ではなく、確固たる自律性に裏打ちされた力強い外交である。経済的脆弱性を克服し、他国の意向に左右されずに自国の進むべき道を決定できる環境を整えること、それこそが歴史的圧勝を収めた高市氏が、国民から託された真の使命であると言えよう。