円安、原材料&物流費の高騰、連日のように食品や生活用品など、家庭に欠かせないものが値上がり、報じられています。一方で、賃金は上がらない。そんな中、Twitter上である投稿が注目されています。投稿したのは小説家の「高殿円@11/28茶道具擬人化小説『芦屋山手 お道具迎賓館』発売するよ」さん(@takadonomadoka)。
「さっきスーパーのど真ん中でお菓子を買ってもらえないことが確定した推定5歳児男子が、『ママーーッッ、ママーーッッ、ぼくいいこと考えた!!お金があればいいんだよ!!もっとお金があればいいんだよおおーーーッッ!!』って叫んでいて、レジに並ぶ全員が『その通りだよな』って目をしていた」
この投稿を見た人たちからは、
「親が『お金ないから』と言って買わないんでしょうね。本当の理由はわかりませんが、それって後々『うちは貧乏なんでしょ』と言うようになるので要注意ですね。うちがそうだから…」
「菓子を買うお金があっても、親としてはあまり買いたくないかもしれない」
「うちもよく子供に『お父さんがHIKAKINさんみたいにお金もちだったら良かったのに』って言われます。確かにって毎回思う」
「子どもにこんな叫びをさせてしまう日本。国民全てが温かい場所で腹一杯食べられて、老後は働かなくても年金沢山もらって暮らせる日本が良いなあ」
などさまざまな声が寄せられ、「いいね」は8万件にもなりました。
投稿主はなぜこうツイートしたのでしょうか。お話を聞きました。
ーーその子はお菓子を買ってもらえなかったのですか。
「遠目に見ていたので細かいことは分かりませんが、買ってもらえなかったようです」
ーー何でも買って与えるのもよくないですよね。
「お金があろうとなかろうと『ただねだるだけでは手に入らない』ということを学ぶ、誰にでも訪れる成長の機会のうちのひとつだと思いますが…」
ーー母親は恥ずかしかったかもしれませんね。
「お母さんはベビーカーを押していたので、おそらく第二子が乳児で、恥ずかしがるような余裕もないと思います。5歳とそれ以下の第二子を連れて、夕方のスーパーで一人買い物を済ませるだけでどれだけ大変かと」
ーー母親を批判するリプライも見受けられましたが。
「このシチュエーションで母親のことをどうこう言うような風潮が、今の日本での子育てへの無理解無関心そのものだと感じます」
ーー人はお金があったら満足できるのでしょうか。
「おそらく大多数の人が『お金があったら今より豊かになれる』と思っているのではないでしょうか。満足できるかどうかはそれぞれ、何を買うかにもよると思いますが」
ーーお金がないと楽しく暮らせない?
「それも人それぞれだと思います。お金をかけて人生を楽しむことも同じだけあり、有意義な楽しみだと思います」
ーー心に響く叫びですね。
「母子の様子はよくある、微笑ましいものだったと思います。ただ、それを聞いてそうだよな、という空気になった他の買い物客のほうに、いまの世相を感じました」
高殿円さんの新刊「芦屋山手 お道具迎賓館」は好評発売中。