クラブやラウンジなどのナイトワーカーは人間の感情を扱う商売ですから、メンタルに支障をきたしやすいのは当然のこと。お客さんからの「圧」が辛い日も多く、もうお酒を体内に入れたくない時だってあります。おまけに収入は不安定で、将来性も謎。基本的に病む要素が満載だからこそ続けるのは本当に大変です。
ただ、この辺りは夜職未経験の人でも想像できる「代表的な病むポイント」に過ぎません。実はこれ以外にも、地味にしんどい「意外な理由」も多く存在します。そんな“地味ツラ”が蓄積すれば、これまた心が壊れやすくなってしますので、小さなストレスは侮れません。
働いてみないとわからない、「病む意外な理由」は普通のサラリーマンにも通じる部分があるのだとか。ナイトワーカーたちの苦労と心労は、あちこちに潜んでいるようです。
マンネリ化、人間関係etc…これって昼職に似ている!?
ナイトワーカーは毎日がパーティーで刺激的と思われがちですが、実際のところは売り上げが安定してくるとマンネリ化が必ずやってきます。収入がキープできるのは有難いものの、似たようなメンツの来客と見覚えのある数字を毎月繰り返してくると、徐々にモチベーションが下がり、時間と共に心が荒んでくるのです。
もちろん似たような日々の繰り返しが好きなキャストもいますから、こればかりは人によって異なる部分でしょう。しかしナイトワーカーの過半数が“刺激中毒”のような一面を持ち、可もなく不可もないと退屈しがちに。「良いわけでも、悪いわけでもない」事実に病み、だんだん勤怠が悪くなる例も決して珍しくはありません。
向上心があるせいで心を塞ぐとなると、決して悪い病み方ではありません。ただマンネリを打破できないと、売り上げが下がっていくなどのデメリットが発生しやすいので、とても悩ましい問題であることは確かでしょう。
そして結構多い“地味ツラ”が、店内の人間関係です。黒服や店長、社長と「合わない」というもので、裏方と相性が悪いと良い席につけてもらえなかったり、店での扱いが悪くなるなど……。女の子に好かれていても、雇用される側から好かれないと仕事がしづらくなり、最悪の場合は辞めざるを得ません。
「じゃあさっさと見切りをつければ?」という話かもしれませんが、入店したてやその職場が“憧れの店”だったりすると、すぐに決断できないもの。コロコロ職場を変えることに抵抗感が強ければモヤつく日々が続き、時間が経つにつれて気分が落ちる→病むという流れが完成してしまいます。
売れていればVIP待遇な夜の世界も、職場の人間関係に関しては“ガチャ”。しかも人によって合う・合わないがかなりはっきりするため、上の人間との考え方がまるで合わないと地獄でしかないんです。
周りの影響にやられそう……環境が病む原因に
また、店内に流れる空気感や“カラー”も地味に病む理由です。ここにピタッとハマれば天国ですが、1ミリの隙間もなくピースにハマれる人間などほぼ皆無。多くの人がどこかで妥協し、「仕方ないか」と割り切って働くのです。
例えば店内で治安の悪い人間が多かったり、パパ活上等な女子ばかりだと、真面目に働く側がだいぶツラいです。入店前に見抜ければ“地味ツラ”は避けられますが、職場は入ってみないとわからない部分も多いです……。
夜のお店での枕営業などあるある過ぎる話ですが、やはり「枕する人が多い傾向にある店」なんてのは実際にあります。噂を知らず、よく調べずに入店しちゃったとなるパターンもゼロではなく、回避するのも大変となると、次第に病むのは想像がつくでしょう。
このように、徐々に心を壊す原因や理由は一般職でも同じことが言えます。「上司となんとなく合わない気がする」とか「仕事のマンネリ」によるストレスは、「客がうざい」などの一発アウト的なものよりもわかりづらいせいで、ついダメージが蓄積しがち。溜まりに溜まって、他の要素が重なって爆発する可能性が高いとなると、決して無視はできない問題だといえます。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。