「技術者の勇者ぶりがハンパない」写真に称賛の声 豪雪でも高所でインフラ整備「極寒風景だけど気持ちが熱くなるやつ」

中河 桃子 中河 桃子

「うちの技術者の勇者ぶりがハンパないの見てほしいんだけど、さらに声援送ってくれたら嬉しいんだけど、こうやってインフラ守ってるんだって知ってもらえるともっともっと嬉しいんだよね」と紹介されたのは、雪が積もる中でロープにつかまって、作業している女性の姿。特殊な機材と高度な技術でインフラの安全を守る京都の企業「特殊高所技術」(@tokusyu_kousyo)にどのような状況で撮影されたものなのか話を聞きました。

「夏の暑い日も冬の寒い日もいつもインフラを守って下さって有難う御座います」「寒いですよね 怖いですよね 体勢を保持してるだけでも消耗しますよね ホント、くれぐれもご安全に!」「高所だけど「縁の下の力持ち」のお仕事!」「極寒風景だけど見てると気持ちが熱くなるやつ」「カッコいいです!」など、リプライには応援や称賛の声が多数寄せられました。

同社は、足場を組んだり重機を利用したりすることなく、強度の高いロープや特殊な機材だけで、人が立ち入れないほどの高所で安全に作業できる独自の技術「特殊高所技術」を開発。この技術を利用して、明石海峡大橋や首都高速をはじめ、全国の橋やダム、風力発電の風車など国土交通省が管理している設備のメンテナンスを行っています。写真の技術者は何をしている最中だったのか、広報に話を聞きました。

前職がアパレル関係の店長経験者や、消防隊員、歯科技師の営業マンも

――画像の技術者さんは何をしているですか?

「国土交通省が義務付けている、5年に1回の定期点検を行っているところです。確かこの日は岐阜県の橋を検査していました。下降器という機材を使ってロープで昇り降りしながら、橋が腐食していたり亀裂が入ったりしていないかを、数ミリのひび割れひとつ、ネジのゆるみひとつに至るまで見逃さないように確認しています。

雨天では作業で使う機材が故障するので中止しますが、それ以外の天候では作業しています」

――作業はお1人で?

「写真ではたまたま写っているのが1名ですが、チーム制です。と言うのも、作業場はたいてい重機や足場が使えない高所のため、ケガなどトラブルがあった時に救急車や消防車が辿りつけません。

彼らに助けてもらうにはケガ人を私たちで運ぶ必要があるので、2人1組かそれ以上の人数で作業しています。もちろん、非常時に備えるために日頃からレスキュー訓練を受けています」

――技術者はどんな人が?

「新卒のほかに、前職がアパレル関係の店長経験者や元自衛隊、消防隊員、歯科技師の営業マン、車のディーラーなどさまざまです。

技術者それぞれが、“ロープ高所作業”という労働安全衛生規則で定められている「ロープ高所作業特別教育」をはじめ「救急法救急員」「非破壊検査技士」、土木関係の資格のほか「道路橋点検士」などの有資格者です」

――みなさんが、危険な仕事を選ばれた理由は?

「危険と隣り合わせの仕事ではありますが、公共設備の維持管理を通じて、皆さんの安心と安全を守るという意義や、人の役に立ちたいという思い、当社の企業理念である”人と人との繋がりを大切にし、ともに幸せになる未来を作る”に共感した者が集まっています。

これは私たちの会社に就職されてから知ることかもしれませんが、日本全国のみならず海外からも依頼をいただいているので、出張先のご当地グルメが密かな楽しみだったりします(笑)。そして何と言っても、高所から望む素晴らしい眺望を独り占めできるひとときは格別ですね」

◇ ◇

ちなみに国内にある70万もの橋を定期的に点検するには、1年で14万の橋を見て回る計算です。しかし、「圧倒的に人が足りていない状況です。この仕事に興味を持っていただけたならぜひご応募を」と担当者。懸命にインフラを守り続けている同社の活躍があるからこそ、安全が当たり前の社会で暮らせるというありがたさ。改めて、インフラを支える“縁の下の力持ち”に思いを馳せてみませんか。

特殊高所技術公式Twitterアカウント:@tokusyu_kousyo
特殊高所技術公式サイト:https://www.tokusyu-kousyo.co.jp/

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