サイゼリヤが島根に初出店!…なぜ「びっくりするくらい安いの?」 人気メニューとあわせて聞いてみた

山陰中央新報社 山陰中央新報社

 イタリアンレストラン「サイゼリヤ」(本社・埼玉県)の島根1号店が1日、「ゆめタウン出雲」(島根県出雲市大塚町)内にオープンした。全国にチェーン展開し、本場の味をびっくりするくらいの安い価格で提供して根強い人気がある。約100品あるメニューの中から特に人気の品を広報担当者に聞いた。

 出店したのは1階のレストラン街。店内は広さ200平方メートルで、114席を備える。島根県への出店は全国で37県目、山陰両県では1月にオープンしたイオンモール日吉津店に次いで2店舗目。

 サイゼリヤの特徴は価格の安さ。看板メニュー「ミラノ風ドリア」の税込み300円をはじめ、マルゲリータピザ400円、ミートソースボロニア風も400円と、多くが1品300~500円。ワインがグラス1杯100円で飲めることもよく知られている。

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★ミラノ風ドリア(300円)

 サイゼリヤの商品の中でも不動の一番人気。1日に約7万食が売れるという。海外の上質な牛肉と、牛乳500mlを使ったホワイトソースとミートソースを使用。牛乳の甘みとこくが凝縮された濃厚な味わいが特徴。

 元々の価格は500円程度で、当時から一番人気だった。創業者が「人気の物こそ安く提供するべきだ。その方がお客さまに喜んでもらえる」と、現在の価格に下げたという。

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★辛味チキン(300円)

 ミラノ風ドリアに匹敵する人気がある。「辛味」とあるが、辛さは全くない。元々は名前通り辛かったそうだが、子どもやお年寄りでも食べられるように辛味を無くしたところ、大人気になったという。

 手羽中をトマトペーストや香辛料で味付けし、オーブンで焼き上げているため、揚げ物特有の重たさがなく、ついつい何本でも食べてしまう。

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★エスカルゴのオーブン焼き(400円)

 エスカルゴを初めて食べた店はサイゼリヤだった、という人も多いのではないだろうか。イタリアンレストランでは定番だそうだが、日本で食べる機会が少ないため、創業者が日本人にもなじんでもらおうとメニューに加えた。

 リトアニアで取れたエスカルゴをフランス産の発酵バターやガーリックで味付けし、貝類と同じような味わい。別売りのパンに載せて食べるとよりおいしい。イタリアンレストランでは3千~4千円することも珍しくないというから、一度、挑戦してみたらどうだろうか。

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★ハンバーグステーキ(400円)

 世界有数の牛肉輸出国、オーストラリア産の牛肉を100%使ったハンバーグ。合いびき肉を使わないハンバーグで、400円とは驚きだ。

 ハンバーグ単体でもおいしくいただけるが、ガルムソースが付属している。しょうゆとニンニクをベースに作られたソースで、つけて食べるとご飯が進むほか、ワインにも合う。さまざまなメニューと組み合わせて食を楽しめるよう工夫されている点も、サイゼリヤの強み。

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 ほかにもピザやパスタ、サラダといったメニューも人気だが、特に人気な4点を紹介した。

安さの秘密は

 なぜ、安い値段でおいしいメニューを提供できるのか。サイゼリヤの儀間智広報課長(51)は「食に携わる者として、安くておいしい物を提供し続けていくという使命がある」と話した。

 サイゼリヤは商品開発から配送まで一貫して行う「製造直販」の体制を、古くから取っている。海外の牧場やワイナリーから、商社を挟まずに直接食材を買い付け、海外に工場を建てて自社製造することで、コストを省きながら、高い品質を保つ戦略だ。

 さらに国内外に1547店舗(2022年8月末時点)を展開するという強みを生かし、食材をコンテナ単位で一度に大量に買うことで、輸送費の削減にもつなげているという。

 最近、円安の進行によって原材料費や物流費が高騰し、大手外食チェーン店が続々と値上げを発表した。そんな中、サイゼリヤは10月の記者会見で今後も値上げをしないことを宣言し、話題になった。創業者の「全てのお客さまに喜んでもらいたい」という思いを受け継いでいるという。

 儀間広報課長は「低価格であることで『安かろう悪かろう』と思われがちだが、品質は常に追求している。物価高で人々の暮らしは厳しいが、変わらず誰にでも食の豊かさを提供できる店でありたい」と話した。

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 安さと品質を追求しているというサイゼリヤ。鳥取県と島根県に1号店を進出し、今後、多店舗展開を目指したいとする。鳥取県の1号店・日吉津店は「好評」というが、島根県民にその魅力が受け入れられるのか、注目だ。

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