島根県の元小学校校長が4月、台湾の日本人学校に教諭として赴任する。教員人生の集大成として、応募の上限となる最高齢の64歳で異国の地に挑戦の場を求めた。
台中日本人学校の教諭となるのは、島根県益田市の大橋大(まさる)さん(64)。市立高津小学校校長で60歳の定年を迎えた後、再任用で市立桂平小学校の校長、昨年4月から市立吉田小学校教諭として勤務した。
子どもたちには雑草魂とチャレンジ魂の大切さを伝え続けた。「言うからには恥ずかしくないよう自分でも実践してきたつもり。最後にもう一回、挑戦してみたくなった」。日本人学校のシニア派遣は応募時の年齢が64歳以下の条件があり昨年、上限の最高齢で受験。見事突破し、台中の赴任通知を受け取った。任期は2~3年で、中学部を担当するという。
吉田小6年時の教え子だった益田市の原洋行さん(51)は、先生から「夢がある」と日本人学校の教諭を目指す話を聞いていた。当時のみんなで先生を送り出したいと声がけして吉田小で激励会を企画し、11人が集まった。かつての教室で思い出話に花を咲かせ、校歌を歌う際は「口をちゃんと開けて大きな声で」と大橋先生が言うと、「懐かしいな」と笑い声が飛んだ。
大橋先生は毎日、昼休みになると一緒に遊び、他のクラスにドッジボールやサッカーで勝負を挑んだ。島根県松江市から駆けつけた南波美穂さん(51)は「熱血指導のおかげで、踏まれても踏まれてもめげずに、たくましく育った」と感謝し「とにかく元気で無事に帰ってきてほしい」と恩師に言葉をかけた。
教え子に囲まれ、背中を押された大橋さんは「教師冥利(みょうり)に尽きる。現地の子どもたちにもチャレンジを伝えたい」と力を込めた。