「白い長毛の犬と会えますように…」初詣での願い事が現実に 殺処分対象だった保護犬、第二の犬生へ

松田 義人 松田 義人

 

日本最大の保護犬の譲渡活動を通じ、「殺処分ゼロ」の実現を目指しているピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。2021年9月、愛護センターで殺処分対象だった複数の白フサのワンコたちがいました。多頭飼育崩壊によって保護されたワンコたちのようで、どうも親戚同士の様子。同団体は全て引き取りました。

その中の一頭がレジェモです。推定5歳のメスのワンコで、あまりの恐怖からガタガタと震えています。乳房下垂が見られ、当初スタッフは妊娠しているのではないかと思いましたが、その様子はなく単に疲れ果て体がやつれたことによって、乳首が垂れ下がってしまっているようでした。

スタッフに少しずつ心を開きながらも細菌性膀胱炎を患っていた

 

レジェモは当初、なかなか人への警戒心がぬぐえず震えるばかりでしたが、やがてスタッフに心を開くようになりました。しかし、後に細菌性膀胱炎を患っていることがわかり治療。治療自体が終わった後も療法食を食べ続けなければならないというハンデを持ちながらも、2021年12月、ピースワンコの東京・あきる野譲渡センターに移動し、新しい里親さんとの出会いを待つ日々をおくっていました。

 

初詣でのお願いの直後にレジェモと出会った里親さん

レジェモがあきる野譲渡センターに移動してから1ヶ月ほどが過ぎた、2022年の正月明け、ある方が同センターまでレジェモに会いに来てくれました。この方は初詣で「5歳くらいのワンコで、白い長毛で、10kgくらいのワンコと出会えますように」とお願いしたところ、その直後にレジェモのことを知り、「なんてピッタリでかわいいワンコだろう」と思ったそうです。

 

ピースワンコが譲渡する上での諸条件にも合致しており、レジェモはこの方に譲渡されることが決まりました。

スタッフは新しい里親さんになる方のお宅を訪問し、レジェモを迎えるにふさわしい状態に整えてもらいました。この間、レジェモはあきる野譲渡センターで卒業の日を待っていましたが、里親さんはこの間にもレジェモにベッドを用意してくれました。

保護当初とはまるで違う笑顔で卒業!

 

やがて卒業の日を迎えたレジェモ。保護された日の、あの悲しそうに怯えていた表情とはまるで違い、笑顔でこの日を迎えることになりました。

スタッフはレジェモが第二の犬生をおくることができたことを心から喜びながらも、お散歩やご飯が大好きだったレジェモの姿を思い出し、ちょっとだけ切ない気持ちにもなりました。

しかし、レジェモは今日もきっと新しい里親さんの元で、さらに笑顔の絶えない日々をおくっていることでしょう。今までの分も取り戻せるくらい、レジェモが楽しく幸せな生活をおくってくれることを願うばかりです。

ピースワンコ・ジャパン あきる野譲渡センター
https://peace-wanko.jp/hogoken/wanko/?transfer%5B%5D=akiru

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース