株式会社博報堂DYホールディングス(東京都港区)は、「これからの幸福感」プロジェクトの一環として「はたらく世代の幸福感調査(関東・関西編)」を実施しました。その結果、「幸福感」「元気感」ともに関東に比べて関西のほうが相対的に高いことが分かったそうです。
調査は2022年8月に関東エリア(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)および関西エリア(大阪府、兵庫県、京都府)に住む20〜50代までの有職者(働いている人)の男女各3000人から回答を得たといいます。
まず、エリア別の「幸福感」を調査するために「日ごろから、あなたは幸せに暮らしていると思いますか」と聞いたところ、「関西」で82.5%、「関東」で76.0%という結果に。他方、「元気感」について「日ごろから、あなたは明るく元気に過ごしていると思いますか」と聞いたところ、「関西」が77.6%、「関東」が71.2%となり、「幸福感」「元気感」いずれも関西が関東を上回る結果となりました。
「幸福感」「元気感」の割合を性・年代・職種別でみると、「幸福感」は関西の20代女性が85.1%、30代女性が85.7%と高く、「元気感」においても、関西の20代女性が81.1%、30代女性が80.4%となり、全体と比較して高い傾向が見られたといいます。
さらにエリア別で詳しく分析してみると、「本音」項目の「自由に本音で話しあった方が楽しい」では「関西」が78.6%、「関東」が73.6%、「共鳴」項目の「日々、楽しく笑える場面がある」では「関西」が74.2%、「関東」が66.0%、「シェア」項目の「くだらないことでも人と話をする時間は楽しい」では「関西」が79.2%、「関東」が77.2%となり、全ての項目スコアで関西が関東を上回る結果となっていたそうです。
また、「本音」「共鳴」「シェア」の3項目のスコア全てで関西が関東を上回るという結果を受けて、3項目に全て「はい」と答えている人を分析したところ、「関西」(57.7%)の方が「関東」(49.7%)よりも「本音」「共鳴」「シェア」の3項目全てにおいて「はい」と回答している人が多いことも分かりました。
ちなみに、「幸福感」において関東・関西ともに「本音」「共鳴」「シェア」の3項目全て「はい」と答えている人(関西93.0%・関東89.9%)は、「幸福感」が高い傾向が見られ、「元気感」においても3項目全て「はい」と答えている人(関西91.4%・関東88.5%)は、同様の傾向がうかがえたといいます。
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調査結果について、京都大学(社会心理学・文化心理学)の内田由紀子教授は、「これからより重要になるのは他者と幸せを共有することができ、いろいろな幸せの形があることを皆で受け入れていくような場所づくりです」と説明。さらに「関西の風土が持つ、緩やかで『ま、そんな人がいてもおもしろいやんな』と許容し、面白がる文化的基盤が『場所づくり』を支えてきたのかもしれません。失敗してもその経験を人と共有して、笑いに変えたりもできます。他者の多様性やチャレンジを受け入れることで、自らの日常にも感謝し、肯定できるようになるのではないでしょうか」と述べています。