「体つるんつるんの孫みたいな」外国選手と真剣勝負 ボディービル日本代表の68歳女性 初の世界大会で7位に 

国貞 仁志 国貞 仁志

 68歳で日本ボディビル・フィットネス連盟の日本代表に選ばれた京都市伏見区の丹羽裕子さんが、10月に韓国で行われた世界大会に初出場した。丹羽さんは全出場選手の中で最高齢で、出場した部門も丹羽さん以外は10代、20代の選手ばかり。「みんな体がつるんつるん。孫みたいな年の差がある若い子ばっかりやった」と苦笑いするが、自身も驚くパフォーマンスを見せて8人中7位に入った。

 大会前日。出場者リストを見た丹羽さんは生年を表す「BORN」の欄に目がとまった。1994、1997、2006…。「1954」の丹羽さんと最も年齢が近いのが、1994年生まれのスウェーデン選手だった。

 緊張と重圧で迎えた当日。50歳以上年の離れた選手らと舞台袖で待機していて、このシチュエーションに笑いがこみ上げたという。「前も後ろも、みんな若い若い。その中に私がいる。なんか、おもしろくなってきて」

 軽快な音楽に乗って開脚や側転などを披露する1分半のパフォーマンスは、客席からの日本選手団の応援を力に変え「私なりにうまいことできた。100点ちゃいますか」。会場のアナウンスも、68歳と思えない筋肉美と軽やかな動きに敬意を表してか、最後に「ヒロコ・ニワ、シックスティーエイト!」と年齢を紹介し、場内がざわついたという。

 だが「想定外」の出来事も。ビキニ姿でポージングをするもう一つの種目が、大会当日の朝になって、自分がこれまで準備していたものと違うことが判明。腰のくびれや体の反り具合に対する評価に重きが置かれ、不利に働いたという。

 自身は「最下位やと思っていた」が、20代のモンゴル選手を上回り、7位に入った。出番を終えると、世界的なレジェンドとおぼしきチェコの40代選手から「リスペクトしている。一緒に写真を撮ってほしい」と頼まれ、国際大会ならではの体験も味わった。

 丹羽さんは9月中旬に神奈川県で行われた「オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス」で優勝し、日本代表に選ばれた。そこから国際大会までの約1カ月間、目標を持ってトレーニングに励むことで、自身の体が美しく変化していったように感じた。「世界大会のすごいプレッシャーが私を押し上げてくれた。こうなりたいという心からの願望。そのパワーはすごいものがあんねんなあと思います」

 今後の目標は。「目指すものは何もないんですよ」と言いつつ、「ふけたくないだけやねん。体形を崩したくない。もっと体形を良くしたい。普通は年を取ったら老化していくけど、私にはあてはまらへんみたい」とほほ笑んだ。

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