「ハタチの子と並んでも見劣りせえへん」ボディービルに打ち込む68歳女性、筋肉美が話題に 若手退け全国大会優勝

京都新聞社 京都新聞社

 日本ボディビル・フィットネス連盟主催の国内最高峰大会で、京都の68歳の女性が若手選手を退けて優勝し、10月18日から韓国で行われた世界大会に初出場した。40代で難病になったのを境に競技にのめり込んだレジェンドは、今なお進化する筋肉美の秘けつを語る。

 京都市伏見区の丹羽裕子さん。9月中旬に神奈川県で行われた「オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス」に3年ぶりに出場。開脚や側転などのパフォーマンスとビキニ姿の肉体美を審査するミスフィットネス部門には、20~60代の計5選手がエントリーし、最年長の丹羽さんが頂点に立った。これまで準優勝が多かったといい「この年で(タイトルを)取れるとは思わなかった」と驚く。

 練習は京都市内のジムで週6回、1日1時間半~2時間行い、胸、肩、背中など部位ごとに鍛える。気をつけてきたのは、背骨や筋肉の動きを意識し、リラックスした状態で「体の中に常に酸素を取り込み、血液を送り込むこと」。独特の理論で若さを維持する。

 常に笑顔を絶やさない丹羽さんにもつらい過去がある。ボディービルを始めた42歳の時、消化管に慢性炎症を起こす「クローン病」と診断された。脂肪や添加物を避けるボディービルに適した食事が難病の症状を抑えることにもつながり「結果ラッキーなんですよ」。57歳の時には雪の日にバイクで転倒し、車にかかとをひかれた。今も患部がしびれ、感覚はないが、体のバランスのゆがみはみじんも感じさせない。

 筋肉がつかない、体を絞れないと、衰えを「年のせいにしていた」自分を65歳の時に改め、さらに進化する姿を描いた。「モミジでも青のままがいい、赤くなるのは嫌や言うても、赤くなる。人間も同じで外見は老化する。でも、常に酸素と血液を送り込むことで体内の若さを保てていると思う」

 日本代表で挑んだ初の世界大会は決勝に進めなかったが「ありえへんことが起こっている。でも、まだ二十歳の子と並んでも見劣りせえへんと思ってます」

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