「猫見つかりました」という手作り感がある貼り紙の写真に、「荒川区にはこういうニュースしか流れていない」というコメントを添えたツイートが話題になっています。“こういうニュースしか流れていない”という荒川区の魅力について、区民である投稿者に教えてもらいました。
投稿者はハリジャンぴらの(@harizyan_pirano、以下ぴらの)さん。貼り紙にはスクーターの座席に座る猫の写真と、赤い太字の大きな文字で「猫見つかりました」、下には「トラちゃん無事見つかりました! 心配してくださった方、ありがとうございました!」などのメッセージがプリントされており、猫が帰ってきた喜びと感謝の気持ちがストレートに表現されています。
投稿には「良かったねえ」「コレ見かけると、本当にホッとする」「見つかったの知らせてくれるの、ほんとに有難いよね」「事後報告しておられる。感じいいな」と貼り紙についてのコメントや、「いいニュースだ...和む」「気持ちがほっこりします。こういうニュースの方が大事なのかもしれません」などのコメントが寄せられていました。
荒川区について「平和で良い街です荒川区」「荒川区は、なんか不思議な区だよな。東京のタイムカプセルだよ。好きだな」「都電の通る町はこうでなくちゃ」と荒川区の魅力について語る人や、「住みたい」「荒川区に引っ越す時がきたな」と言う人までいました。
荒川区は、味のある看板や貼り紙の穴場?
路面電車「都電荒川線」が走り、生地や織物、革、ボタン、型紙、アクセサリーなどの店が並ぶ「日暮里繊維街」、庶民的な「荒川商店街」がある街、東京都荒川区。住んでいる人にとってはどんな街なのか、荒川区民である、ぴらのさんに聞きました。
――「猫見つかりました」の張り紙は、どんな状況で発見したのですか。
「休日に昼ご飯食べがてら宮の前辺りを散歩していて読売新聞の販売店の前で見つけました」
――その時、どんなふうに思いました?
「見つけた時の最初の感想は『良かったね! 良かったね! こういうの荒川区っぽいね!』でした」
――荒川区では動物を探す張り紙や、「見つかりました」と言う報告系はよくあるんですか。
「荒川区は掲示板や張り紙が結構活発で、動物探しのポスターは良く見かけますね。見つかりましたのポスターも前も見たことあると思います」
――ぴらのさんにとって荒川区の魅力とは。
「良くも悪くも地味ですね。なんにもない街です。中心部というかミッドタウン的なところがなくて、地味で閑静な町並みが延々と続きます。でもそこが良いです。裏道に入ればこういう面白い出会いがあります。いいよ、荒川区! おいで!」
◇ ◇
荒川区は23区の中心地ほど華やかではないかもしれませんが、張り紙や掲示板での昔ながらのコミュニケーションが盛んであることから、人情味ある町であることがうかがえます。個人経営のお店や、経営する人の人となりを感じられるお店が残っているからこそ、ぴらのさんが言う「面白い出会い」があるのかもしれません。
ぴらのさんは青木ヶ原樹海探索体験記や小説などを執筆し、ネットショップBOOTHの「呑嘆書房」で販売。11月20日に12時から東京流通センターで開催される「文学フリマ東京35」では、参加するサークル「海の泡」からお酒に関する合同誌「ブートレッガーズ」(700円)が頒布されます。
■ハリジャンぴらの(@harizyan_pirano)さんのTwitter https://twitter.com/harizyan_pirano
■呑嘆書房 https://non-tan-shobou.booth.pm/