かつて、繁華街の雑多さやカラーギャングの存在などから「治安が悪い街」というイメージが長く語られてきた池袋。株式会社CHINTAI(東京都港区)が実施した「池袋の治安イメージと再開発による意識変化」に関する調査によると、池袋の治安を「普通・良い」とした人が約6割となり、イメージが改善されていることがわかりました。では、池袋に「住みたい」と思う人はどのくらいいるのでしょうか。
調査は、東京都・埼玉県在住の18~45歳男女900人を対象として、2025年10月にインターネットで実施されました。
まず、「平成の池袋の治安」について尋ねたところ、約半数が「悪い」(非常に悪い16.8%、少し悪い31.0%)」と回答しました。
「過去に抱いていた池袋の治安イメージに影響を与えた要因」としては、「ニュース報道(事件・事故など)」(38.4%)、「実際に訪れたときの印象」(24.6%)、「ドラマ・アニメ・映画などの舞台設定」(19.2%)が上位に挙がり、事件報道やエンタメ作品、実体験や口コミといった複数の要素が重なり、平成当時の池袋には“治安が悪い街”という印象が強く刻まれていたことがわかります。
一方、「令和の池袋の治安」については、「悪い」(非常に悪い9.2%、少し悪い26.6%)が約3割に減少し、「普通」が49.2%、「少し良い」が7.8%、「非常に良い」が7.2%と約6割を占めました。
「現在の池袋の治安イメージに影響した要因」としては、「ニュース報道(事件・事故など)」(35.2%)、「実際に訪れたときの印象」(30.0%)、「SNSで見かけた話題」(14.3%)が上位に挙がったほか、「最近の再開発情報・変化の情報を見聞きして印象が変わった」(12.7%)という意見も見られ、池袋の変化そのものがイメージ改善を後押ししていることがうかがえます。
また、池袋の治安に関して、「数年前と比べて良くなったと感じる」(良くなったと感じる5.7%、少し良くなったと感じる21.3%)と回答した人は約3割、「悪くなったと感じる」(少し悪くなったと感じる8.9%、非常に悪くなったと感じる7.5%)は1割強にとどまりました。
池袋の治安が「良くなったと感じる理由」としては、「再開発が進み、街全体がきれいになった」(54.3%)、「駅周辺の整備が進んだ」(33.7%)、「公園や広場などの公共空間が整い、明るい印象になった」(23.9%)が挙げられ、街の景観や回遊性の向上が、治安の改善実感につながっていることがうかがえます。
次に、「池袋西口の再開発」について尋ねたところ、約6割が「知っている」(開発内容も詳しく知っている12.8%、なんとなく知っている42.8%)と回答。
「再開発によって変化した池袋の印象」では、「西口がきれいになり、全体的に明るくなった」(40.0%)、「治安がよくなり、安心できるようになった」(20.8%)、「駅周辺に人が増えて、にぎやかで活気が出てきた」(19.2%)などが挙がり、街の景観改善と人の流れの変化が、安心感や活気の向上につながっていることが読み取れました。
では、家賃・職場/学校からの距離感も踏まえて、自分が気に入った物件があったときに「池袋に住みたい」と思うのでしょうか。
この質問に対して、「住みたいと思う」は32.7%、「思わない」は67.3%という結果になりました。
「池袋に住みたい理由」としては、「駅周辺に商業施設が多く、買い物や外食が便利」(49.0%)、「電車の路線が充実していて、通勤・通学に便利」(38.8%)、「病院・行政施設・銀行など生活インフラが整っている」(23.8%)など、いずれも日常生活のしやすさに直結する項目が並びました。
一方、「住みたくない理由」としては、「治安が悪いイメージがある」(27.6%)、「家賃が高そう/コスパが悪そう」(27.2%)、「駅前や繁華街が雑多で騒がしい」(24.3%)といった、利便性の高さと表裏一体の“繁華街イメージ”が居住意向のハードルになっていることがわかる結果となりました。
これらの調査結果を踏まえて同社は、「池袋の治安イメージは平成から令和にかけて改善傾向にある一方、完全には払拭されていない実態が明らかになった。街の変化が進む中で、その変化を生活者が実感として捉えられるかどうかが、今後の評価を左右するのではないか」と考察しています。