お正月の準備を始める最適な日があるって知ってた? 婚礼以外は縁起が良いとされる「鬼宿日」

門倉 早希 門倉 早希

早いもので今年も残すところあと少し、お正月はもうすぐそこです。しめ縄や門松、鏡餅など、お正月飾りを用意。しかし、習慣として毎年出してはいるものの、意味はよく分からないまま飾っているという人も多いのでは。

さらにお正月飾りで悩むのが飾る期間。一体、いつからいつまで飾ればいいの? そんな疑問を解決すべく、しめ縄・お正月飾り、お盆用品の製造卸売りをおこなう「山一商店」(千葉県千葉市)に話を聞きました。

お飾りの意味は?

まず、お正月飾りとして広く知られている、玄関用しめ飾り・門松・神棚用しめ縄・火、水回り用和飾りやめがねなどについて。 

・玄関用/神棚用のしめ飾り
「玄関用しめ飾りは歳神様をお招きするための目印と言われています。清められた場所を意味し、災いを家に入れないための結界として玄関に飾ります。神棚用は神様を祀る清浄な場所であることを示すためのもので、1年に1度は必ず取り替えてくださいね」

 ・水・火周り用の輪飾りやめがね
「しめ縄を簡略化したもので、火の神様のいる台所や、水の神様がいる水回りに飾ります。日頃お世話になっている商売道具や車などに飾るのも良いですよ」 

・門松と鏡餅
「家の入口に一対で飾る門松は歳神様への目印で、お正月の間、神様の依り代(神霊が寄り憑く物)としての意味もあります。鏡餅は、かつて三種の神器と呼ばれた銅鏡を意味するので鏡餅といい、鏡には神様が宿ることから鏡に見立てた丸いお餅を神様の依り代としてお正月に飾ります」

飾るのはいつからいつまで?

日本のお正月では、幸多い一年を迎えるため、新年とともに歳神様を迎えるという風習があります。歳神様とはご先祖様の御霊ともいわれ、家々に一年の幸せをもたらしてくれる神様のことだそうです。

ーーいつから飾り始めれば?

「まずは、お飾りを出す前に歳神様を迎えるため、大掃除(煤払い)をして家をキレイにします。特に12月13日は縁起の良い日で『正月事はじめ』といい、準備を始めるのに最適な日とされています。

大掃除が済んだら、お正月飾りは13日から30日までに飾ります。29日は『苦』に通じ、31日は一夜限りとなるため避けた方がよいですね」

12月13日はもともと「鬼宿日」という、婚礼以外はなんでも縁起の良いとされる吉日であり、歳神様を迎えるのに最適な日として「正月事はじめ」が行われるようになったといいます。

ーー片付けるのは。

「松の内が終わる7日に外します(地域によっては15日のところもあります)。その後は神社やお寺で炊き上げてもらうのですが、お焚き上げができない場合は、地域の家庭用分別ゴミとして始末してください。その際はお塩とお酒で清め、お礼と感謝の気持ちを込めればよいでしょう。

鏡餅に関しては1月11日の鏡開きで食べるとされています。地域によっては、1月15日に鏡開きをするそうです(上記と同じ松の内が15日までの地域)」

ーーお正月飾りは毎年新調すべき?

「お正月飾りは神様をお迎えするための神聖なものなので、できれば毎年新しいものを使うのが一番良いと思います。ただ、近年は雰囲気作りで部屋に飾られている方もいらっしゃるので、一概にNGとは言えません。使用している商品や使い方によりますね」

◇ ◇

余談ですが、車のなかに飾るしめ縄(車飾り)、供給量はどう推移しているのでしょうか。最近ではあまり見ない気もしますが…。同社に尋ねると、「車飾りの生産量(種類)は増えています」と意外な答えが。一体なぜ?

「お正月飾りの中では車飾りは低価格なため、購入する人は複数購入されています。車だけではなく、部屋の雰囲気作りなどに使用しているのでしょうか? 中には玄関ドアに飾っている家もあります」

記者が調べてみたところ、みかんがついたような立派かつ大きめのしめ縄は通販サイトで2000円~4000円くらいの価格帯(なかには5000円~1万円を超えるものも)。一方で車に飾るような小さめサイズなら数百円~1000円程度で販売されていました。

そこまで立派なものでなくていい、むしろインテリアとの兼ね合いから小さめなものをという考えや価格面を考慮し、「手軽なしめ縄」として手に取る人が増えているのかもしれませんね。

山一商店:http://www.yamaichi-kk.co.jp/

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