大学しんどすぎて今日この状態で講義3つ受けた―。そんな文言とともに投稿された、ぬいぐるみを抱く女子大生が、X上で話題となっている。ロングヘアの女子大生の胸元には、人気キャラクター「すみっコぐらし」のとかげ。水色のまるっとしたフォルムで、気の抜けたような表情が愛らしい。不思議な光景に、ネット上ではツッコミが殺到。実は、ぬいぐるみには、ある仕掛けがあった。
正体は…温まるぬいぐるみ!
北海道札幌市内の大学3年生で、X名・崇高の力さん(@naamuuaamii)。抱えるのは、バンダイが販売する「あったかるいぬぐみ」だ。モバイルバッテリーを繋げると、背面が温かくなる仕組み。布1枚越しのカイロくらいの温かさを感じられるという。
「とかげ」のファンで、受験生だった高校3年の冬に購入した。「ぬいぐるみで温まる、という新しい発想に魅力を感じました。塾の勉強のお供として抱えたり、手に時計を持ってもらったりしました。家でも、寝る前に布団を温めてもらったりしています」と女子大生。1分以内に温まり、1時間で自動的に切れる安全設計も気に入っているそう。
北海道の冬は過酷だ。今年は11月中旬から急激に冷え込み、最高気温3℃、最低気温-3℃の日も。市内では積雪した。「冷え性もあって、氷点下の吹雪に当たると身体の芯から冷えます。一面の雪景色を見ると『長い冬が始まる』と少し憂鬱になりますね」と話す。
そんな朝の寒さで気持ちが沈んでいた時、とかげと目が合った。「大好きなとかげと一緒なら頑張れると思ったんです」。普段使いのリュックに入れるには大きいため、別のトートバッグに入れて持ち運んだ。
批判コメントに返信すると…まさかの結末
講義中は、お腹あたりがじんわりと温かく、癒された。教授からの指摘もなく、友人からは「可愛い」「実用的」と好評。ゼミの先生も興味を持ってくれたという。
Xに書き込むと、反響がある一方で、ぬいぐるみの正体を知らない人から「何がしんどいねん」などのコメントも。批判的な声に戸惑ったが、女子大生は考えた。「何がしんどいね」との表現には、「何がしんどいのですか?」と尋ねる意味と、「何もしんどくないでしょう」と否定する2種類の意味があるかも…。緊張しながら「寒さです」と答えると、「あーーそれはきつい」と共感する返信があり、結果的に温かいやり取りになった。
女子大生は、やり取りを紹介しつつ、オチをこう綴った。「寒さという共通の敵がいたため、争わないで済んだ一例」
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「あったかるいぬぐみ すみっコぐらし」は全3種類あり、税込5480円。