嫁姑問題でもとくに“あるある”なのが「手作りおかずの押し付け問題」です。ありがたい反面、味覚や衛生感覚の違いから「義母の手料理が苦手」と言う人も多いようで、「もらったはいいけれど、処理に困っている」なんて声も。まもなく年末年始で、おせちやお食事を用意してもらう機会が増えることに、げんなりしている人も少なくないかもしれません。Nさん(愛知県在住、30代)は苦手な姑の手作り料理で、一家卒倒の大事件に巻き込まれたといいます。
食事の用意も大変だろうから…厚意だとは思うけど
Nさんは夫と4歳の息子さんの3人で暮らしています。夫の実家は家から5分ほど歩いたところにありますが、義母がおかずを持ってくるようになったのは、Nさんが医療事務として職場復帰をした頃からでした。
「食事の用意も大変だろうから…との義母なりのやさしさだと思います。ただ、義母たちの世代はおすそ分けや手作りの持ち合いが一般的だったと思いますが、今はそもそも手作りの食べ物を渡すことは敬遠されています。私もそうですが、他人の手作りが得意ではない人が増えているので…。コロナ禍になって、その傾向は特に強くなったと思います」
そう話すNさん。実は義母宅の食卓やキッチンはお世辞にも綺麗とは言い難く、ろくに掃除もされていないような実情に嫌悪感を持っていました。
「年末年始などには食事の用意を手伝ったこともありますが、冷蔵庫や食品庫には賞味期限が切れたまま放置されている開封済みの食材がいくつも残っていました。それを使われていたらと思ったら一口でも食べる気はおきませんし、子どもにも食べさせたくありません…」
義母の手料理を食べたあと…救急搬送
加えて義母はお世辞にも料理が上手とは言えなかったのだといいます。
「少しだけ食べてみたこともありましたが、全体的に味が濃くて私の口には合いませんでした。煮物はどれだけ砂糖を入れたんだろうというくらい甘く、魚の煮つけは生臭く、その味に慣れていない私と息子は手をつけられませんでした…。夫は『もらえるなら食費も浮くんだからいいじゃないか』と言いますが、もらった半分も減らず捨てている現状では、『処理が厄介なゴミ』を押し付けられているのと変わりません。いつも夫が1回食べて余っていたら、おかずはこっそり捨てていました」
しかし夫を経由して「おかずはいらない」と伝えてもらっても、義母からのおかずの差し入れがなくなることはなかったそうです。
そんな最中にNさん一家に事件が起こります。お盆の時期に義母宅に顔を出した日、帰宅後にNさんの夫と息子さんが嘔吐し、緊急搬送されたのです。Nさんは病院で、原因は「食中毒」と伝えられました。
「担当医から『手に直接触れた食材を食べませんでしたか?』と言われ思い当たったのは、義母の出したおにぎりでした。ビニール手袋どころかラップも使わず握られていたのでしょう。幸い症状はすぐに落ち着いたので、点滴だけ受けてその日の内に2人とも帰宅できましたが…。こんなことがあったらもう義母の料理は信用できないですよね」
Nさんは義母の手料理を手に取ることはなかったので症状はありませんでしたが、この日以降は義母からのおかずを断っているとのこと。これまでは気にしていなかったNさんの夫も、実害を被ってからはさすがに強く言ってくれるようになったそうです。
「もうはっきり、食中毒になったばかりで不安だから、と断るようにしました。しかし食中毒の原因についてははっきりと特定されていませんから、『あなたのおにぎりが悪かった』とはさすがに言えません。『気持ちが落ち着いたらまたもらって』と義母から言われましたが、もう二度と受け取らないつもりです」
義母の手作りおかず、食べられる?
送る側からしたら厚意でやっているつもりでも、受け取る側からしたらありがた迷惑になってしまうことも少なくありません。義母の手作りおかずと、みなさんはどのように付き合っているのでしょうか。Nさんのエピソードには以下のような声が寄せられています。
・嫁姑問題をこじらせたくないので、穏便に、はっきり断るのではなく、こっそり捨てる。(Aさん40代)
・夫にだけ食べさせる。子どもと私は絶対食べない。残ったら夫のお弁当に入れる。(Sさん30代)
・嫁として突き返すのはどうなんだろう。食べなければいい話。(Dさん40代)
・嫌な嫁。こういう嫁に限って、何かあった時に姑に頼ってる。(Hさん60代)
・義母におかずを逆に届けてみる、一緒にご飯を作る。(Tさん20代)
・食中毒になったのはたまたま夏だったからなのでは?考えすぎ。(Iさん30代)