老後資金について、持ち家のある人と賃貸の人とでは考え方に違いはあるのでしょうか。全国の50歳以上の男女873人に調査をしたところ、一人あたりに必要な老後資金について、持ち家のある人は「1000万円台」が最多となった一方で、賃貸の人では「2000万円台」と回答した人が最多だったそうです。
不動産事業を全国展開する株式会社And Doホールディングスが、「老後の住まいとお金に関する調査」と題して2022年6月に実施した調査です。持ち家に居住する702人(うち65歳以上279人)、賃貸に居住する171人(うち65歳以上71人)に聞きました。
まず、「老後の不安」について「不安を感じる」「少し不安を感じる」と回答した人は、シニア層(65歳以上)が72.9%、50歳~64歳では84.5%という結果に。
また、老後について「不安を感じる」「少し不安を感じる」と回答した人に「具体的な老後の不安」を聞いたところ、「自身の健康面」「老後の生活資金」「介護の心配」が上位となり、年齢別にみると、50歳~64歳では「老後の生活資金」(69.8%)が最も多く、シニア世代は「自身の健康面」(59.7%)が最も多い結果となりました。
次に、「必要な一人あたりの老後資金」について、持ち家がある人と賃貸の人とに分けて聞いたところ、持ち家層は「1000万円台」(26.6%)が、賃貸層は「2000万円台」(21.6%)がそれぞれ最多となり、持ち家層の方が「自宅が持ち家」であることで、老後資金は少なくてよいと考える人が多いことがうかがえたそうです。
一方で、持ち家層の人に「現在、準備できている一人あたりの老後資金」を聞いたところ、「1000万円未満」(29.9%)が最多となり、「現在準備していない」(10.1%)も合わせると40.0%にものぼり、現実では老後資金の準備が進んでいない人が多いことが分かったといいます。
続いて、持ち家のある702人に「持ち家に対する老後の不安」を聞いたところ、「建物の老朽化」(51.7%)、「修繕・リフォームの心配」(42.6%)、「固定資産税・維持管理費」(29.2%)など、一時金が必要となるものや、継続的な出費となるものが上位に挙げられました。
そこで、持ち家層の「老後資金対策(老後資金づくり)」として知っているものを聞いたところ、「貯蓄」(73.5%)、「投資・資産運用」(49.7%)、「退職金」(47.6%)といった回答が上位に挙げられた一方で、最近注目されている、自宅を売却後も賃貸で住み続けられる「リースバック」(22.2%)や、自宅を担保に月々支払いは利息のみの「リバースモーゲージ」(18.2%)の認知度は2割前後に留まったといいます。
最後に、「老後、どこに住もうと考えていますか」と聞いたところ、持ち家層の68.5%が「自宅」と回答。さらに、「自宅・所有不動産の売却」も41.7%と高いことから、持ち家層にとって、自宅を活用した老後資金づくりが視野に入っていることがうかがえたといいます。
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【出典】
▽2022年6月・株式会社And Doホールディングス調べ