「餃子の王将」を展開する王将フードサービス本社(京都市山科区)前で2013年、大東隆行前社長=当時(72)=が射殺された事件で、京都府警捜査本部(山科署)が、特定危険指定暴力団工藤会系石田組幹部の男(56)を逮捕したことを受け、王将の常連客からは事件の真相解明を求める声が上がった。SNS上には、大東さんが殺害された後に王将ファンの間で起きた「追悼餃子(ぎょうざ)」のワードが復活し、故人をしのぶ動きが広がっている。
「逮捕をきっかけに事件の真相が解明されれば」。28日昼、餃子の王将府庁前店(京都市中京区)を訪れた男性(71)はこう語る。男性は高校時代に1号店の四条大宮店(同)で名物のギョーザと出会って以来の王将ファン。9年前に事件が起きて以降、新聞やテレビ、週刊誌で報じられる関連ニュースに細かく目を通し、捜査の進展を気にかけてきた。
「警察は容疑者の男にずっと目星を付けていたとも聞く。大東さんが襲撃された背景は今のところ見えてこないが、今後の捜査で徹底的に究明してほしい」と話した。
大東さんが殺害された13年当時、インターネット上には「追悼餃子」といったメッセージとともに、焼きたての餃子の写真をブログに掲載する人が続出した。
容疑者の逮捕方針が報じられた今月27日深夜以降、ツイッター上には「今日は追悼餃子にしようかなぁ」「捜査を続けてくださった関係各所の皆々様、ありがとうございました。私も追悼餃子に参加しに、近々店舗に伺います」「警察偉い。まじリスペクト。きょうのランチは王将以外考えられない」「晩御飯は王将の餃子をデリバリーかな」といった投稿が相次いだ。