「イルカも捨てちゃったの?!」赤ちゃん時代のぬいぐるみを処分→父親はごみ置き場へ走った…なぜ?

金井 かおる 金井 かおる

 断捨離で処分した「イルカのぬいぐるみ」をめぐるエピソードがTwitter上で注目を集めています。投稿したのは東京・銀座でギャラリー「美術紫水」を営むMitsukiさん(28)。ご本人に話を聞きました。

仕事から帰宅した父親は家を飛び出し…

 Mitsukiさんは高校生の頃、自宅にあったたくさんのぬいぐるみをまとめて処分しました。

 「10年以上前、高校生くらいのときです。昔だからうろ覚えですが、何か心境の変化があってか、ため込んでいたものを急に捨てながら掃除を始めました。大量に捨てました。ぬいぐるみは昔から好きでたくさん持っていました。愛着もありとても辛かったですが、ごみ袋にまとめて、昼ぐらいにごみ置き場に出してきました」

 その中には物心ついた頃からずっと記憶にある「イルカのぬいぐるみ」も含まれていました。

 「気に入ってましたよ。でも捨てようなんて、人間、時には自分でもよく分からないくらい思い切っちゃうことがあるものなのですね…」

 夜、仕事から帰宅したMitsukiさんの父親は「イルカも捨てちゃったの?!」と驚きました。

 「『あー、あのイルカも捨てちゃったの?』『捨てちゃったんだ』とずっと惜しそうに言ってたのをよく覚えています」

 あきらめきれない様子の父親は家を飛び出しました。向かった先は近所のごみ置き場。父親はごみの中からイルカのぬいぐるみを探し出し、大切そうに手で包み戻ってきました。

後悔し、反省…「苦しかったです」

 実は、イルカのぬいぐるみはMitsukiさんが生まれたときに母方のおばから贈られた物でした。自分の持ち物だからと自身の判断で処分を決めたものの、家族にとっても思い出や愛着が詰まった一品だったのです。

 「悪いことしたなと反省しました。そもそも昔からあるぬいぐるみだとは知ってましたが、僕の生まれたときにもらった物だとそのとき初めて知りました。たくさんの人に愛されて育ってきたので、それをあらためて実感して、それが詰まった物を捨ててしまったことを後悔し、苦しかったです」

 このときのことを思い返すたびに「泣きそうになる」というMitsukiさん。Twitterに気持ちを吐露すると、投稿を読んだユーザーからは「イルカが救出されて本当によかった」「お父さんにとっても思い出の品だったんですね」「自分も学生時代にぬいぐるみを捨ててしまったことを後悔してる」などの反応があり、4万を超えるいいねが寄せられました。

 イルカのぬいぐるみはその後、あらためて家族の一員のような存在に。現在では実家の愛猫のお気に入りです。

 「父が幼い頃の僕の思い出としてイルカを見たように、僕もまた猫の思い出として、このイルカのぬいぐるみを見てしまうのかもしれません。父にとっては二重に思い出でしょうね。ずっと大切にします」

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