「大学なんて金のムダ。勉強できる子じゃない」進学分の養育費を拒む元夫 負けられないバトルが始まった

長岡 杏果 長岡 杏果

離婚後のトラブルといえば、養育費の未払いや減額請求ではないでしょうか? シングルマザーとして大学生と高校生の2人の子どもを育てるSさんは、5年前に離婚しました。しかし突然今となって、元夫から養育費に関して驚愕の言葉を言われたのです。

離婚調停で決められた養育費の内容

Sさんは離婚調停で離婚が成立しました。そのため、養育費の金額や支払い期間なども調停で決められています。Sさんの子どもの養育費の取り決めは、1人3万5000円、期間は20歳まで、大学に進学した場合は卒業するまでです。

Sさんの長男は私立大学に進学して1人暮らしをしており、次男は高校3年生で大学受験を控えています。これからまだまだ教育費が必要なので、Sさんは転職して収入が増やすなど、子どもたちには経済的な面で進学を諦めさせることがないように努力していました。また、養育費の支払いを続けている元夫にも感謝していました。

「進学なんて、ムダだから。働けばいい」

次男が通う高校は生徒の約6割が大学へ進学します。次男も将来の夢を叶えるため、地元の私立大学を受験したいと、合格に向けて勉強をしています。

大学へ進学した場合、元夫は次男が卒業するまで養育費を支払う必要があるので、Sさんは事前に元夫に大学を受験することを伝えました。

すると、元夫から驚愕の言葉が返ってきたのです。

「進学校にいるわけではないんだから、進学する必要はない。ムダだから、働けばいい」

この言葉にSさんは、耳を疑いました。あまりの驚きに言葉が出ず、数秒間沈黙が続きました。

すると元夫は追い打ちをかけるように「だから養育費は20歳まで。もともと勉強ができるわけじゃないんだから、大学へ行っても遊ぶだけ。あいつにはお金のムダになるだけだ。進学するなら来月から払わない」と言ったのです。

元夫との絶対に負けられないバトル

Sさんは次男が志望大学合格のために勉強を頑張っていることを、再度伝えました。また、これ以上次男の夢を壊すようなことを言って、養育費の支払いを拒むなら、しかるべき手続きを行うことを伝えました。

Sさんは話し合いのなかで何度も感情的になりそうでしたが、感情的になっても話はうまくいかないと感じ、冷静に淡々と話していました。その態度に元夫はSさんに脅威を感じたようで、養育費は調停調書に沿って支払うため、「給与の差し押さえなど、会社にみっともないことはしないでほしい」と態度を軟化させてきたのだそうです。

   ◇   ◇

離婚すると夫婦は他人になりますが、子どもの親であることは変わりません。なぜ、離婚すると親子の関係が切れたようになってしまうのか。また子どもを育てている親が不快な思いをすることが多いのか。なんだか寂しい気持ちになるのはSさんやこうした経験をされた方だけでしょうか。

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