よく「孫は目に入れてもいたくないほど可愛い」といわれますが、シニア世代のみなさんは、孫にどのくらいのお金を使っているのでしょうか。全国の50~79歳の男女1000人に調査をしたところ、この1年間で孫のために使った金額は「5万円~10万円未満」「3万円~5万円未満」などに回答が集まったそうです。
ソニー生命保険株式会社が2022年8月に「シニアの生活意識調査(第10回)」と題して実施した調査です。
はじめに、孫がいるシニア(308人)に、「この1年間で、孫のためにどのようなことにお金を使いましたか」と聞いたところ、最も多かったのは「おこづかい・お年玉・お祝い金」(67.2%)でした。次いで、「一緒に外食」(43.5%)、「おもちゃ・ゲーム」(39.9%)、「衣類などファッション用品」(30.8%)、「本・絵本」(26.9%)といった回答が上位に並びました。
これを昨年の調査結果と比較すると、「一緒に外食」は38.3%から43.5%と5.2ポイントの上昇、「一緒に旅行・レジャー」は14.7%から19.2%と4.5ポイントの上昇となっており、今夏は行動制限が緩和され、孫との外食や旅行・レジャーに出費するシニアが増えたことがうかがえたそうです。
続いて、この1年間で孫のための出費をしたシニア(281人)に「孫のために使った金額」を聞いたところ、「5万円~10万円未満」(22.1%)、「3万円~5万円未満」(21.4%)、「10万円~20万円未満」(15.0%)などに回答が集まり、平均額は「11万9413円」となりました。
昨年の調査結果との比較では、平均額は10万4682円から11万9413円と、1万4731円の大幅増加となっており、“孫消費”が拡大傾向であることが見て取れたといいます。
さらに、「今後、孫としたいこと」を聞いたところ、「外食」(50.0%)、「旅行」(44.5%)、「会話」(39.6%)、「公園で遊ぶ」(32.8%)、「散歩」(29.5%)という結果に。
これを男女別にみると、「山/海で遊ぶ」(男性32.4%、女性18.6%)、「スポーツ観戦」(男性18.4%、女性5.8%)は、女性と比べて男性のほうが10ポイント以上高くなっていた一方で、「外食」(男性44.1%、女性54.7%)、「会話」(男性30.9%、女性46.5%)は、男性と比べて女性のほうが10ポイント以上高くなっていたそうです。
全回答者(1000人)に「現在の楽しみ」を聞いたところ、「旅行」(45.3%)最も多かったほか、「テレビ/ドラマ」(38.6%)、「映画」(29.5%)、「グルメ」(28.5%)、「読書」(26.6%)などが上位に挙げられました。
これを男女別にみると、男性では「旅行」(45.6%)、「テレビ/ドラマ」(36.8%)、「映画」(33.8%)と続いた一方で、女性では「旅行」(45.0%)、「テレビ/ドラマ」(40.4%)、「グルメ」(32.6%)という結果になっていたそうです。
また、昨年の調査結果と比較すると、「健康」は18.8%から23.3%と4.5ポイントの上昇、「音楽/楽器」は18.3%から22.9%と4.6ポイントの上昇、「子ども/孫」は15.1%から19.8%と4.7ポイントの上昇となりました。
調査結果から同社は「新型コロナウイルス感染症流行の長期化で、健康づくりに意欲的に取り組む人や、音楽鑑賞・楽器演奏といったおうち時間を充実させる趣味に興じる人が増えたのではないでしょうか。また、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され、子どもや孫と直接会って交流を楽しむシニアが増えたと考えられます」と説明しています。
次に、「現在の楽しみを“旅行”」と回答したシニア(453人)に「旅行に対する1ヶ月の出費」を聞いたところ、平均額は「2.4万円」となりました。
また、「現在の楽しみを“スポーツ”」と回答したシニア(245人)に「スポーツに対する1ヶ月の出費」を聞いたところ、平均額は「1.2万円」となり、2020年の0.9万円、2021年の1.1万円から緩やかな上昇傾向がみられたといいます。
続いて、「現在の楽しみを“ペット”」と回答したシニア(150人)に「ペットに対する1ヶ月の出費」を聞いたところ、平均額は「1.3万円」で、2020年の0.7万円から、年々上昇する傾向が明らかになりました。
最後に、「現在の楽しみを“貯蓄”」と回答したシニア(132人)に「貯蓄に対する1ヶ月の出費」を聞いたところ、平均額は「5.2万円」となり、2021年の5.8万円から0.6万円の減少となっていたそうです。
同社は「貯蓄額減少の背景には、新型コロナウイルス関連の行動制限の緩和による消費意欲回復や、物価上昇に伴う生活費増加があるのではないでしょうか」と説明しています。