駅や街中でも見かけることのあるAED。実際に使用したことのある方は少ないのではないでしょうか?
防災月間である9月。改めて応急手当の方法、AEDの使い方をおさらいしてみませんか?今回は、東京都墨田区にある東京消防庁本所都民防災教育センター(通称:本所防災館 https://tokyo-bskan.jp/bskan/honjo/)で、応急手当の体験をしました。
AEDの使用に移る前に
本所防災館の応急手当体験コーナーでは、倒れている人を発見してから救急車が到着するまでに行う、心肺蘇生法やAEDの使用を学ぶことができます。真っ先にAEDを使用するのではなく、以下の手順で安全に行うことが大切です。
①安全な場所に移動する
道路や車が激しく横断するような場所で倒れている場合、まずは安全な場所へ移動しましょう。夏場は特に、応急手当をしている側が熱中症にならないよう、日陰などが安心です。
②肩を両手でたたき声をかける
倒れている人に意識があるのかを確認します。
③多くの人を呼ぶ
1人での応急手当は大変です。応急手当に移る前に、「誰か来てください」「助けてください」と周囲の人の協力を仰ぎましょう。
④AEDと救急車の手配をする
協力してくれる方々に、「あなたAEDを持ってきてください」「あなた119番通報をしてください」と伝えましょう。
⑤胸の動きで呼吸確認
倒れている人の胸が10秒間のうちに何回上がるかを確認します。通常、人の呼吸は1分間に18~20回程度なので、10秒間だと3~4回は呼吸を行うことになります。普段通りの呼吸が出来ているかを確認しましょう。
⑥胸骨圧迫をする
反応がなく、呼吸をしていない場合、「心臓が止まっている」と判断し、胸を圧迫する「胸骨圧迫」に移ります。
⑦AEDが到着したら装着する
胸骨圧迫をしている間に、AEDが到着したら装着し、AEDの音声案内に従って対応を行います。
「胸骨圧迫」の手順
胸骨圧迫を行う際、次のポイントを心掛けましょう。
・ ヒザを肩幅くらいに開く
・ 傷病者に近づいて直角になるように手を置く
・ 胸の真ん中を圧迫する
胸骨圧迫は約1分間に100~120回(約1秒間に1~2回)のペースで行います。最近では、スマートフォン用の「メトロノーム」のアプリなどもありますので、活用することもおすすめです。
胸骨圧迫は救急車が到着するまでの間、絶えず継続して行う必要があります。救急車到着までの時間は平均で6分29秒(令和2年のデータより)といわれており、1人で行うことは大変です。周囲の人と協力して、交代しつつ行いましょう。
AEDが到着したら
AEDは電源ボタンを押すと音声が流れ始めます。音声に合わせて行動をしましょう。(詳しい手順はぜひ、動画で確認してください。)
AEDは基本的に音声の指示に従って行うことができます。AEDを使用する際は、1分1秒を争う状況であることが多いので、ためらうことなく対応することが大切です。練習でも緊張してしまうAEDの使用。いざという時に備えて、今回体験させていただいた本所防災館をはじめとする各地の防災館などで練習しておきましょう。
動画解説:石榑亜紀子 気象予報士