手のひらにちょこんと乗る「羊毛フェルト猫」が人気 創作の原点は22年間ともに過ごした愛猫、作家に聞いた

西松 宏 西松 宏
MEBARUさんの羊毛フェルト猫作品。現在までの総作品数は340以上におよぶ(写真はすべてMEBARUさん提供)
MEBARUさんの羊毛フェルト猫作品。現在までの総作品数は340以上におよぶ(写真はすべてMEBARUさん提供)

 めばるが旅立って1年後のこと。「猫の子どもが生まれたので引き取ってもらえないか」と知人に頼まれ、ある日、家族がキジシロの子猫を1匹、もらってきた。家にやってきたその子の顔を初めて見たとき、MEBARUさんは驚いた。「顔の模様がめばるにそっくりだったから」。名前はピノ(オス、4歳)。めばるを失ったことで心にぽっかりと空いた穴を、ピノは埋めてくれた。

 MEBARUさんが作る羊毛フェルト猫は、実際にモデルの猫がいるわけではなく、ポーズや柄はすべて自分で考え出したオリジナル。「私が作る子はみんな、めばるの面影がどことなく漂っていますね。めばるは私が作る猫の原点なんです。いまはピノが私の創作を支えてくれています。ピノを見て、次はこんなポーズの子を作ろうと発想できるので、欠かせない存在です」。かつてめばるがそうしていたように、いまはピノがMEBARUさんのそばに寄り添い、創作活動を見守っている。

 「道端で猫を見かけたとき、『可愛い』と思わず顔がほころんでしまうときってあるでしょう。私の作品を見てくれた方が、そんな気持ちでニコっとしてくれたら嬉しいです。世界で一つ、あなただけの宝物となるように、との思いを込めて一体ずつ丁寧に作っています」とMEBARUさん。夢は「個展を開くことと、羊毛フェルトの本を出版すること」だそう。難易度はより高くなるというが「今よりもさらに小さくて可愛い羊毛フェルト猫ができないか、チャレンジしていきたいです」と意気込んでいる。

■MEBARUさんのインスタグラム @mebaru_felt_cat

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