大切なペットとの想い出を写真や動画で撮影するのはもはや当たり前ですが、なかには羊毛フェルトを使って「立体似顔絵」で残す方法もあります。羊毛フェルトだと質感も似ているし、なんといっても立体で触ることもできるといった大きな違いがあります。東京・渋谷の東急百貨店本店で開催していた羊毛フェルト作家の作品を紹介します。
猫ちゃんワンコの立体似顔絵
東急百貨店本店で7月29日~8月4日まで開催されていた個展では、羊毛フェルトで作った猫ちゃん、ワンコの作品が展示されていました。制作したLike an Angelさんに羊毛フェルトの似顔絵について伺ってみました。
――そもそも羊毛フェルトで猫ちゃん、ワンコの似顔絵を作ろうとしたきっかけはなんだったのでしょうか?
「小さい頃からワンコを飼っているくらいワンコ好きなのですが、15年くらい前にNHKのテレビ番組で、羊毛フェルトで飼い犬を作ってみようというのがあったのがきっかけです。それまでは羊毛フェルトには興味はなかったんですけど、大好きなワンコをモデルにした羊毛フェルトを作ってみたいとハマってしまって、いろいろな羊毛フェルトの教室に通いました」
――猫ちゃん、ワンコ以外も作っていますか?
「似顔絵としてお請けしているのは基本的には猫ちゃん、ワンコの顔だけです。自分の作品としてはキツネやお馬さん、パンダなども作って販売しています」
――似顔絵はなぜ顔だけなのでしょうか?
「身体の場合は左右で色が違ったりするので、多くの写真が必要なのと、どうしても動いてしまうから全身が撮影されていないことが多いので、顔だけにしています。場合によっては前足を付けることはあります。サイズはハガキ大で額縁に入れてお渡ししますが、縦置き、横置きになるのかはこちらで決めさせていただいています」
納期は3週間ほどかかるがリーズナブルな理由は?
――納期が3週間ほどかかるのに8800円(税込)~というのはリーズナブルですね?
「そうですね、作品をお渡ししたときのお客さまが喜んだお顔を見るのがこちらもうれしくて、できるだけリーズナブルにしています。そのためできれば直接お渡ししたいと思っています。写真ではなく毛の色を実際に見せたいからと直接工房に猫ちゃんやワンコを持ち込んでくるお客さまもいらっしゃいます。その場合はスマホで写真を撮って、画面の色と実際の毛の色の色合わせをしますね」
――依頼するときには写真をどのくらい送ればいいのでしょうか?
最初のころは写真を1枚でやっていたのですが、実際の色や表情が違うということがありました。また、似顔絵の依頼の6割はすでに亡くなっている猫ちゃん、ワンコだったりするので、写真は最低2枚以上で、たくさんあればあるほどいいです。猫ちゃんもワンコも外出しているときはいい顔をしてないことが多く、写真はやはりお客さまが撮った方がいいですし、その中からベストなものを選んで送っていただいています。猫ちゃんの場合は目が光ることが多く、ワンコの場合はカメラのレンズが相手の目に見えてしまうみたいなので、やさしさから目を反らしてしまう傾向がありますね」
――似顔絵の羊毛フェルトにするときに苦労することはありますか?
「ご依頼の割合は猫ちゃん3割、ワンコ7割なのですが、猫ちゃんは歳を重ねても変わりにくいものの、ワンコは2年も経つと見た目が変わってきますし、白髪も目立ちやすいのです。なので、どの時期の猫ちゃん、ワンちゃんを作品にしたいかというのを決めていただく必要があります。また、猫ちゃんの場合は写真の通りにそっくりに作ってしまうと、どうしても思ったよりも目が鋭くなってしまうため、ほんの少し温和なカワイイ感じに作るように心がけています。モデルとなったネコちゃんの抜け落ちたヒゲを使うこともあるんですよ」
Like an Angelさんの工房は東京都板橋区にありワークショップも開いています。工房にはときどきイタリアン・グレイハウンドのワンコもいるそうで、似顔絵もしっかりと羊毛フェルトで作られているとのこと。しかもワンコの成長や変化に合わせて作品もアップデートしているというこだわりよう。
Like an Angelさんは8月12日から16日まで新宿京王百貨店で作品の展示販売とワークショップを行うとのことなので行ってみてはいかがでしょうか?
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▽Like an Angel
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